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「気のきいた店名なぞ三ツ四ツあれこれ胸にたくわえて」	2019/08/18 19:31
「気のきいた店名なぞ胸にたくわえていたのを投げだして」	2019/08/21 16:54
「麻雀とか碁などで昼を送り、夜は虎になって戻ってくる」	2019/08/21 16:55
「なぜ客が減ったか法外な値段の秘密、みんなかぎだした」	2019/08/21 16:56
「宿六の守銭奴が乗りうつり」	2019/08/21 16:59
「金銭の悪鬼と化し」	2019/08/21 17:00
「一思いに、という気持ちがメラメラ燃え立って」	2019/08/21 17:01
「第二楽章から先はもう恋愛は絶対に存在せんです」	2019/08/21 17:05
「恋愛なんてどうせ序曲だけでしょうけどね」	2019/08/21 17:04
「胸の中の地層で外のどんな物質と一緒に雑居しているか」	2019/08/21 17:06
「胸の中のどういう地層で外のどんな物質と一緒に雑居しているか」	2019/08/21 17:09
「心理から行動へつながる道はその迷路から出てきやしない」	2019/08/21 17:10
「精神的にも一介の放浪者にすぎんです」	2019/08/21 17:12
「最上先生の思想が地平すれすれに這い廻るにしても」	2019/08/21 17:14
「人間は本来善悪の混血児であり」	2019/08/21 17:15
「悪に対するブレーキ」	2019/06/29 00:09
「牡蠣先生は掛念の体に見える」	2019/08/21 17:17
「主人は書斎の中で神聖な詩人になりすましている」	2019/08/22 17:54
「トチメンボーの亡魂を退治（たいじ）られたところで」	2019/08/21 17:26
「行徳の俎を無理にねじ伏せる」	2019/08/21 17:31
「行徳の俎を遠く後に見捨てた気で」	2019/08/21 17:33
「憐れな声が糸のように浮いて来る」	2019/08/21 17:35
「ゲーが執念深く妨害をする」	2019/08/21 17:37
「勝とう勝とうの心は談笑中にもほのめいて」	2019/09/20 17:54
「輪郭の柔らかな瓜実顔」	2019/08/21 17:42
「真白な頬の底に温かい血の色が差して」	2019/08/21 17:48
「その真黒な眸（ひとみ）の奥に自分の姿が浮かんでいる」	2019/08/21 17:50
「赤いまんまでのっと落ちて行った」	2019/08/21 17:52
「唐紅の天道がのそりと上って来た」	2019/08/21 18:22
「冷たい刃が一度に暗い部屋で光った」	2019/08/21 18:24
「蒼い波が蘇枋の色に湧き返る」	2019/08/21 18:32
「苦い顔をしたのは池辺三山君であった」	2019/09/20 15:12
「専門家の眼に整って映るとは無論思わない」	2019/08/21 18:39
「歓楽を嫉（ねた）む実生活の鬼の影が風流に纏（まつわ）る」	2019/08/21 18:44
「長閑（のど）かな春がその間から湧（わ）いて出る」	2019/08/21 18:48
「句と詩は天来（てんらい）の彩紋（さいもん）である」	2019/08/21 18:52
「その興を捉えて横に咬み竪に砕いて」	2019/08/21 18:55
「風流を盛るべき器（うつわ）が無作法（ぶさほう）な十七字」	2019/08/21 18:59
「風流を盛るべき器（うつわ）が無作法（ぶさほう）な十七字」	2019/09/20 15:14
「風流を盛るべき器（うつわ）が佶屈（きっくつ）な漢字」	2019/09/20 15:14
「一粒の飯さえ容赦無く逆さまに流れ出た」	2019/08/22 17:59
「意識の内容はただ一色の悶に塗抹されて」	2019/08/22 18:04
「意識の内容は臍上方（さいじょうほう）三寸（さんずん）の辺（あたり）を行きつ戻りつする」	2019/08/22 18:08
「胃の腑が不規則な大波を描くような異（い）な心持」	2019/08/22 18:17
「日がまだ山の下に隠れない午過」	2019/09/24 18:15
「吐血はこの吉報を逆襲すべく突如として起った」	2019/08/22 18:22
「生から死に行く径路を最も自然に感じ得るだろう」	2019/08/22 18:23
「文明の肉が社会の鋭どき鞭の下に萎縮する」	2019/08/22 18:27
「文明の肉が社会の鋭どき鞭（むち）の下に萎縮する」	2019/08/22 18:31
「風船の皮がたちまちしゅっという音と共に収縮したと一般の吐血」	2019/08/22 18:41
「この相撲に等しいほどの緊張に甘んじて」	2019/07/16 15:18
「自然は公平で冷酷な敵である」	2019/08/22 18:52
「社会は不正で人情のある敵である」	2019/08/22 18:53
「血を吐いた余は土俵の上に仆れた（たおれた）相撲と同じ」	2019/08/22 18:59
「弱い光りは八畳の室を射た」	2019/08/22 19:01
「腕は針の痕で埋まっていた」	2019/08/22 19:04
「白髪に強いられて老の敷居を跨いでしまおうか」	2019/08/23 17:04
「白髪を隠して、なお若い街巷（ちまた）に徘徊（はいかい）しようか」	2019/08/23 17:10
「意地の悪い霧はいつかほのぼのと晴れかかりました」	2019/08/23 17:12
「あすこにある玉子焼きは恋愛などよりも衛生的だからね」	2019/08/23 17:14
「前後に比類のない天才」	2019/08/23 17:14
「一度も罷業という字に出会いません」	2019/09/24 18:15
「夜目にも白じらと流れる嘔吐を」	2019/08/23 17:16
「言わばロックを支配している星を」	2019/08/23 17:18
「古い薪に新しい炎を加えるだけであろう」	2019/08/23 17:19
「聖徒の数へはいることもできなかったかもしれません」	2019/08/23 17:22
「幸福が漂っているように見えるのです」	2019/08/23 17:24
「薄暗がりと戦ひながら」	2019/08/23 17:25
「本は影の中に沈みはじめた」	2019/06/20 19:34
「人生を見渡しても何も特に欲しいものはなかつた」	2019/08/23 17:26
「雨上りの風は彼の感情を吹きちぎつた」	2019/08/23 17:27
「人生は二十九歳の彼にはもう少しも明るくはなかつた」	2019/08/23 17:28
「見すぼらしい町々の上へ反語や微笑を落しながら」	2019/08/23 17:30
「唐黍は傷き易い彼の自画像にも違ひなかつた」	2019/08/23 18:45
「彼と才力の上にも格闘出来る女に遭遇した」	2019/08/23 18:46
「彼はこう天使と問答した」	2019/08/23 18:48
「通り越しさえすれば死にはいってしまうのに違いなかった」	2019/08/23 18:51
「あらゆる善悪の彼岸に悠々と立っている」	2019/09/03 18:44
「人並に浮き沈みの苦労をして」	2019/09/20 17:57
「酒さかなが少しずつ流れて来るような道」	2019/09/03 18:54
「この商売一つにかじりついて」	2019/06/20 19:02
「売り上げの金はすぐ右から左へ仕入れに注ぎ込んで」	2019/07/12 15:27
「売り上げの金はすぐ右から左へ仕入れに注ぎ込んで」	2019/07/12 15:24
「客から客へ滑り歩いてお酌して廻って」	2019/07/12 15:25
「夫は仮面の底から私を見て」	2019/08/26 14:55
「よくその方角にお気が附きましたね」	2019/08/26 14:57
「谷川が岩を噛みつつ流れ出ていた」	2019/08/26 14:59
「上半身が水面から躍りあがった」	2019/08/26 15:04
「千羽の鶴は元旦の青空の中をゆったりと泳ぎまわり」	2019/08/26 15:00
「梛木川がひとつき続いた雨のために怒りだした」	2019/08/26 15:01
「水源の濁り水は六本の支流を合せてたちまち太り」	2019/08/26 15:02
「水源の濁り水は身を躍らせて」	2019/08/26 15:04
「水源の濁り水は山を韋駄天ばしりに駈け下り」	2019/08/26 15:06
「水源の濁り水は家々の土台石を舐め」	2019/08/26 15:08
「水気をふくんだ重たい風が地を這いまわる」	2019/09/20 17:58
「廻りめぐっている水車の十六枚の板の舌」	2019/08/26 15:11
「数千の火の玉小僧が列をなして畳屋の屋根のうえで舞い狂い」	2019/08/26 15:13
「嘘の花はこの黄村の吝嗇から芽生えた」	2019/08/26 15:16
「甘ったれた精神」	2019/08/26 15:17
「泳ぎの姿を気にしすぎて子供を捜しあるくのがおろそかになり」	2019/07/18 17:54
「嘘の花をひらかせた」	2019/03/23 18:54
「いよいよ嘘のかたまりになった」	2019/09/20 17:59
「嘘の最後っ屁の我慢できぬ悪臭をかいだ」	2019/07/18 17:56
「現実を少しでも涼しくしようとして」	2019/07/18 17:57
「次第次第に濃い嘘を吐いていってようやく真実の光を放つ」	2019/07/18 18:01
「皮膚にべっとりくっついて」	2019/09/24 15:47
「これは滑稽の頂点である」	2019/07/18 18:04
「これこそ嘘の地獄の奥山だ」	2019/07/18 18:06
「嘘の上塗りをして行く」	2019/09/24 15:47
「三人のこらえにこらえた酔いが一時に爆発した」	2019/09/20 18:02
「有頂天こそ嘘の結晶だ」	2019/09/24 15:47
「自分の不活溌のどこかにそんな匂いを嗅いだ」	2019/07/20 15:35
「動き出すことの禁ぜられた沼のように淀んだところ」	2019/07/20 15:37
「沼の底から湧いて来る沼気（メタン）のようなやつ」	2019/07/20 15:38
「妄想が不意に頭を擡（もた）げる」	2019/07/20 15:39
「冷い白い肌に電燈の像を宿している可愛い水差し」	2019/07/20 15:40
「鏡のなかの伎楽の面を恐れながら」	2019/07/20 15:43
「淀んだ気持と悪く絡まった」	2019/07/20 15:45
「淀んだ気持と悪く絡まった」	2019/07/22 19:13
「自分が歩いてゆく」	2019/07/22 19:15
「こちらの自分はその自分を眺めている」	2019/07/22 19:16
「富士も丹沢山も一様の影絵を茜の空に写す」	2019/07/22 19:17
「頭を出している赤い屋根」	2019/07/22 19:17
「あの海に実感を持たねばならぬ」	2019/07/22 19:19
「その音が例の音楽をやるのです」	2019/07/22 19:22
「それを『声がわり』だと云って笑ったりしました」	2019/07/22 19:24
「『チョッ。ぼろ船の底』」	2019/07/22 19:26
「樫の木の花が重い匂いをみなぎらせていました」	2019/07/22 19:27
「欅（けやき）が風にかさかさ身を震わす」	2019/07/22 19:28
「住むべきところをなくした魂」	2019/07/22 19:28
「魂は外界へ逃れようと焦慮（あせ）っていた」	2019/07/22 19:33
「悔恨やいらだたしさが拡がってゆく」	2019/07/22 19:30
「どんな小さな石粒も巨大な悲しみを浮かべている」	2019/07/22 19:33
「もやしのように蒼白い堯（たかし）の触手」	2019/07/24 17:19
「そこに滲み込んだ不思議な影の痕を撫でる」	2019/07/24 17:20
「触手は不思議な影の痕を撫でる」	2019/07/24 17:21
「樫の並樹は撓（し）ない踊りながら」	2019/07/24 17:22
「枯葉が骸骨の踊りを鳴らした」	2019/07/24 17:25
「枯葉が骸骨の踊りを鳴らした」	2019/09/20 15:56
「たくさんの虫が悲しんだり泣いたりしていた」	2019/07/24 17:31
「一匹の死にかけている虫」	2019/07/24 17:31
「思索や行為は佯（いつわ）りの響をたてはじめ」	2019/07/24 17:34
「彼の思索や行為は凝固した」	2019/09/24 15:47
「日光が葉をこぼれている」	2019/07/24 17:35
「虻（あぶ）が茫漠とした堯の過去へ飛び去った」	2019/07/24 17:36
「堯（たかし）の虻（あぶ）は見つけた」	2019/07/24 17:37
「幽霊があの窓をあけて首を差し伸べそうな」	2019/07/24 17:38
「その幽霊があの窓をあけて首を差し伸べそうな」	2019/07/24 17:39
「白い冬の面紗（ヴェイル）を破って」	2019/07/24 17:40
「悲しみが彼に触れた」	2019/09/24 15:48
「浮雲が次から次へ美しく燃えていった」	2019/07/24 17:44
「燃えた雲はまたつぎつぎに死灰になりはじめた」	2019/07/24 17:46
「燃えた雲はまたつぎつぎに死灰になりはじめた」	2019/07/24 17:46
「お日さまの光がとうもろこしの影法師を投げ出す」	2019/07/25 18:17
「お日さまの光が木や草の緑を飴色にうきうきさせる」	2019/07/25 18:18
「よくもひとをなぐったな」	2019/07/25 18:20
「あまがえるなんというものは人のいいのいいものですから」	2019/07/25 18:22
「お日さまの光は影法師を遠くまで投げ出し」	2019/07/25 18:23
「世界はほとんどまっくらに見えました」	2019/07/25 18:25
「その影法師は地面に美しく落ちていました」	2019/07/25 18:26
「星座の図の白くけぶった銀河帯のようなところ」	2019/07/25 18:30
「太陽や地球もそのなかに浮（うか）んでいるのです」	2019/07/25 18:31
「足をあげたり手を振ったり、ジョバンニの横の方へまわって来る」	2019/07/25 18:34
「故国に片足突っ込んだ儘（まま）」	2019/07/25 18:37
「空費された己の過去に対する補償であった」	2019/07/25 18:42
「空費された己の過去に対する補償であった」	2019/07/25 18:42
「過去への復讐であった」	2019/07/25 18:45
「不遇時代に惨めに屈していた自尊心」	2019/07/25 18:47
「自尊心は今や傲然と膨れ返らねばならぬ」	2019/07/25 18:48
「都下の美女を漁っては後宮に納れた」	2019/07/25 18:49
「不快さを追払おうと」	2019/07/25 18:50
「前途の暗いものであることだけは確か」	2019/07/29 12:27
「暗い予言の実現する前に」	2019/07/29 12:28
「真黒な天が盤石の重さで押しつけている」	2019/07/29 12:34
「不吉な塊が私の心を始終圧えつけていた」	2019/09/24 15:48
「不吉な塊が私の心を圧えつけていた」	2019/07/29 12:40
「いけないのはその不吉な塊だ」	2019/09/24 15:48
「想像の絵具を塗りつけてゆく」	2019/03/09 07:40
「無気力な私の触角にむしろ媚びて来るもの」	2019/09/20 18:09
「私の触角に媚びて来る」	2019/07/29 12:44
「飾窓の光がおびただしく街路へ流れ出ている」	2019/07/29 12:45
「電燈が細長い螺旋棒をきりきり眼の中へ刺し込んでくる」	2019/07/29 12:46
「眼の中へ刺し込んでくる」	2019/07/29 12:46
「私の心を圧えつけていた不吉な塊」	2019/07/29 12:47
「私の心を圧えつけていた不吉な塊」	2019/09/24 15:49
「不吉な塊が弛んで来た」	2019/09/20 18:10
「執拗（しつこ）かった憂鬱が紛らされる」	2019/08/18 18:36
「私は往来を軽やかな昂奮に弾んで」	2019/08/18 18:38
「私の心を充たしていた幸福な感情」	2019/09/24 15:49
「幸福な感情は逃げていった」	2019/03/09 06:56
「香水の壜にも煙管にも私の心はのしかかってはゆかなかった」	2019/09/20 18:11
「憂鬱が立て罩（こ）めて来る」	2019/09/20 18:12
「奇怪な幻想的な城が赤くなったり青くなったりした」	2019/08/18 18:45
「軽く跳りあがる心を制しながら」	2019/08/18 18:46
「城壁の頂きに恐る恐る檸檬を据えつけた」	2019/08/18 18:48
「檸檬の色彩はガチャガチャした色の階調を吸収して」	2019/08/18 18:50
「ひっそりと紡錘形の身体の中へ吸収して」	2019/08/18 18:51
「檸檬の色彩はガチャガチャした色の階調を吸収してしまって」	2019/08/18 18:53
「私の心が嫌悪にかわるのを見た」	2019/08/18 18:55
「演奏者の白い十本の指が鍵盤に挑みかかっていた」	2019/09/24 18:19
「孤独感が私を捕えた」	2019/08/18 18:58
「ふとその完全な窒息に眼覚めたとき」	2019/09/20 16:16
「なんという不思議だろうこの石化は？」	2019/09/23 18:54
「言いようもないはかなさが私の胸に沁みて来た」	2019/08/18 19:01
「服地の匂いが私の寂寥を打った」	2019/08/18 19:03
「たちまち萎縮してあえなくその場に仆れてしまった」	2019/08/18 19:05
「児戯に類した空想もながく生き延びる」	2019/08/18 19:06
「私の古い空想はその場で壊れてしまった」	2019/09/24 15:49
「灼熱した生殖の幻覚させる後光」	2019/09/03 16:56
「毛根の吸いあげる液が行列を作って維管束のなかをあがってゆく」	2019/02/14 11:50
「彼らはそこで美しい結婚をするのだ」	2019/08/18 19:25
「光彩を流している」	2019/08/18 19:27
「白い日光をさ青（お）煙らせている」	2019/08/18 19:30

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