ex:a2457

「俺の心は悪鬼(あっき)のように憂鬱に渇いている」

「俺の心は悪鬼(あっき)のように憂鬱に渇いている」

Page Type Example
Example ID a2457
Author 梶井基次郎
Piece 「桜の樹の下には」
Reference 『梶井基次郎』
Pages in Reference 46

Text

俺には惨劇が必要なんだ。その平衡があって、はじめて俺の心象は明確になって来る。俺の心は悪鬼(あっき)のように憂鬱に渇いている。

Context Focus Standard Context

  • 述部のT「渇いている」は、主部のT「心」とは別の起点領域。混合比喩になっている。ここでは便宜上、S「悪鬼」との比較で両者をTとする。

Rhetoric
Semantics

Source Relation Target Pattern
1 悪鬼 = おれ 我=鬼

Grammar

Construction AはBのようにC-D
Mapping Type 概念メタファー

 

Lexical Slots Conceptual Domain
A Target
B Source
C Elaboration
D Target

 

Preceding Morpheme Following Usage
1 A D は-既出のものに関する判断の主題
2 B の[ように] D の-「ようだ」「ごとし」で受ける場合
3 B [の]ように D 様-類似-連用形
4 C - D 統語関係

Pragmatics

Category Effect
心理描写 (psychological-description) 精神的な平衡を保つために惨劇を必要とする自己の陰惨な心の状態を描写する。
イメジャリー・イメージ (imagery) 精神的な平衡を保つために惨劇を必要とする自己の陰惨な心の状態を、自己の生存のために他者を食い殺す悪鬼として表現する。

最終更新: 2024/01/26 12:13 (外部編集)