ex:a0878

「女のように笑おうとする」

「女のように笑おうとする」

Page Type Example
Example ID a0878
Author 谷崎潤一郎
Piece 「秘密」
Reference 『谷崎潤一郎』
Pages in Reference 35

Text

こッてり塗り附けたお白粉の下に、『男』と云う秘密が悉く隠されて、眼つきも口つきも女のように動き、のように笑おうとする。

Context Focus Standard Context
(男) 笑おう

Rhetoric
Semantics

Source Relation Target Pattern
1 = 男=女

Grammar

Construction AもBもCのようにD
Mapping Type 概念メタファー

 

Lexical Slots Conceptual Domain
A Target
B Target
C Source
D Elaboration

 

Preceding Morpheme Following Usage
1 A D も-同類(主語)
2 B D も-同類(主語)
3 C の[ように] D の-「ようだ」「ごとし」で受ける場合
4 C [の]ように D 様-類似-連用形

Pragmatics

Category Effect
評価 (evaluation) 女装した自身の姿に、男性的な要素が隠され、女性そのものに変化できたという自己評価を反映する。
イメジャリー・イメージ (imagery) 「女」の典型的な笑い方を引き合いに出すことで、女装した当該人物がどのように笑顔を作ろうとしていたのかを具体的に想起させる。
対照法・対照 (antithesis) 男としての素顔とお白粉を塗った女としての顔の間の隔たりに際立ちが与えられている。
人物描写 (description of a character) 「女」の典型的表情を参照させることで、厚くお白粉を塗った当該人物の表情を描いている。
強調反復 (diacope) 「女のように」という句を繰り返すことにより、お白粉を塗った顔が男としての本来の顔とは大きく異なっていたという印象を強めている。

最終更新: 2024/01/26 12:13 (外部編集)