命題を二つ立てて、どちらになってもよいように構成する論法

* 生徒が「もしだれでも説得できる術をほんとに伝授してくれたのなら、謝礼を払わない方向で先生を説得できるはずだし、そういう説得ができないとすれば、その術を伝授してもらわなかったのだから、いずれにしても、謝礼を払う必要はない」と弁じ、先生はそれに「もし自分には謝礼を受け取る権利がないと説得できれば、その術を伝授できたのだし、権利がないと説得できなければ、謝礼をもらうのが当然だから、いずれにしても謝礼はいただく」と反論したという

* 『日本語の文体・レトリック辞典』（中村明／東京堂出版）