ex:a2022

「いわばおそろしい魔の淵にするすると吸い寄せられるように」

「いわばおそろしい魔の淵にするすると吸い寄せられるように」

Page Type Example
Example ID a2022
Author 太宰治
Piece 「ヴィヨンの妻」
Reference 『太宰治』
Pages in Reference 436

Text

駅で中野行きの切符を買い、何の思慮も計画も無く、いわばおそろしい魔の淵にするすると吸い寄せられるように、電車に乗って中野で降りて、きのう教えられたとおりの道筋を歩いて行って、あの人たちの小料理屋の前にたどりつきました。

Context Focus Standard Context
おそろしい魔の淵にするすると吸い寄せられる (何の思慮も計画も無く) 電車に乗って

Rhetoric
Semantics

Source Relation Target Pattern
1 = 料理屋 料亭=ふち

Grammar

Construction いわばAようにB
Mapping Type 概念メタファー

 

Lexical Slots Conceptual Domain
A Source
B Target

 

Preceding Morpheme Following Usage
1 いわば A 言わば(いわば)
2 A ように B 様-類似-連用形

Pragmatics

Category Effect
心理描写 (psychological-description) 魔の淵に否応もなく吸い寄せられる魅力があるのと同じ事で、当該の小料理屋に行くことの心理的な抗いがたさを表現する。
アナロジー・類推 (analogy) 向かうべき場所ではないが向かってしまう魅力をもつという共通の属性を媒介として、小料理屋と魔の淵を比較する。

最終更新: 2024/01/26 12:13 (外部編集)