ex:a1563

「日本人は素直な運命の子供であった」

「日本人は素直な運命の子供であった」

Page Type Example
Example ID a1563
Author 坂口安吾
Piece 「堕落論」
Reference 『坂口安吾』
Pages in Reference 223-224

Text

米人達は終戦直後の日本人は虚脱し放心していると言ったが、爆撃直後の罹災者達の行進は虚脱や放心と種類の違った驚くべき充満と重量をもつ無心であり、素直な運命の子供であった。

Context Focus Standard Context
子供 (罹災者)

Rhetoric
Semantics

Source Relation Target Pattern
1 子供 = 罹災者 犠牲者=子

  • 罹災者達の行進>罹災者の換喩にもとづく。

Grammar

Construction AはBのCであった
Mapping Type 概念メタファー

 

Lexical Slots Conceptual Domain
A Target
B Elaboration
C Source

 

Preceding Morpheme Following Usage
1 A C は-既出のものに関する判断の主題
2 B C の-所属の団体
3 C で[あった] だ-断定・指定-連用形
5 C [であっ]た た-過去-終止形

Pragmatics

Category Effect
イメジャリー・イメージ (imagery) どん底に落ち切ったことで再スタートを切ることが可能となった罹災者たちの姿を、限りないを成長性を有する子供のイメージを用いて表す。
逆説・パラドクス (paradox) 大人を子供であると述べることは矛盾があるように感じられるが、その素直さを強調しているものとして理解できる。

最終更新: 2024/01/26 12:13 (外部編集)