ex:a1174

「起きている窓はなく」

「起きている窓はなく」

Page Type Example
Example ID a1174
Author 梶井基次郎
Piece 「ある心の風景」
Reference 『梶井基次郎』
Pages in Reference 278

Text

喬(たかし)は彼の部屋の窓から寝静まった通りに凝視(みい)っていた。起きているはなく、深夜の静けさは暈(かさ)となって街燈のぐるりに集まっていた。

Context Focus Standard Context
起きている (人) はなく

Rhetoric
Semantics

Source Relation Target Pattern
1 > 住人 窓>住民

  • 別の解釈として、窓を擬人化して捉え、電気が付いている=起きているというメタファーによって解釈することもできる。

Grammar

Construction
Mapping Type

 

Lexical Slots Conceptual Domain

 

Preceding Morpheme Following Usage

Pragmatics

Category Effect
転移修飾語 (transferred epithet) 寝ている各個人の個性や様子を捨象し、通りに面する家屋の窓が暗いことに焦点をあてる。
側写法 (metalepsis) 無生物である窓を「起きていない」と形容することで、家屋の明かりが消えて暗くなっている様子を想起させる。
風景描写 (scene-description) 人々が就寝して静かになった通りの様子を描く。

最終更新: 2024/01/26 12:13 (外部編集)