ex:a0792

「紀昌は煙のごとく静かに世を去った」

「紀昌は煙のごとく静かに世を去った」

Page Type Example
Example ID a0792
Author 中島敦
Piece 「名人伝」
Reference 『中島敦』
Pages in Reference 20

Text

甘蠅師の許を辞してから四十年の後、紀昌は静かに、誠にのごとく静かに世を去った。

Context Focus Standard Context
紀昌

Rhetoric
Semantics

Source Relation Target Pattern
1 = 彼=煙

Grammar

Construction AはBのごとくC
Mapping Type 概念メタファー

 

Lexical Slots Conceptual Domain
A Target
B Source
C Elaboration

 

Preceding Morpheme Following Usage
1 A C は-既出のものに関する判断の主題
2 B の[ごとく] C の-「ようだ」「ごとし」で受ける場合
3 B [の]ごとく C ごとし-類似-連用形

Pragmatics

Category Effect
擬物法・結晶法 (hypostatization) 煙という実体性を欠いた事物として姫昌を捉えることで、人間性を背景化している。
イメジャリー・イメージ (imagery) すぐに拡散して目に見えなくなるという煙のイメージを用いて、姫昌の死が大々的なものではなく、ひっそりとしたものであることを表現する。

最終更新: 2024/01/26 12:13 (外部編集)