ex:a0776

「豚は丘のごとく見える」

「豚は丘のごとく見える」

Page Type	Example
Example ID	a0776
Author	中島敦
Piece	「名人伝」
Reference	『中島敦』
Pages in Reference	11

Text

「ある日ふと気が付くと、窓の虱（しらみ）が馬のような大きさに見えていた。占めたと、紀昌は膝を打ち、表へ出る。彼は我が目を疑った。人は高塔であった。馬は山であった。豚は丘のごとく、雞（とり）は城楼と見える。」

Context	Focus	Standard	Context
	丘	豚

Rhetoric

	Category
1	直喩・シミリ (simile)
2	前景化 (foregrounding)

Semantics

	Source	Relation	Target	Pattern
1	丘	=	豚	さい=丘陵

Grammar

Construction	AはBのごとく見える
Mapping Type	概念メタファー

　

Lexical Slots	Conceptual Domain
A	Target
B	Source

　

	Preceding	Morpheme	Following	Usage
1	A	は	B	は-既出のものに関する判断の主題
2	B	の［ごとく見える］		の-「ようだ」「ごとし」で受ける場合
3	B	［の］ごとく［見える］		ごとし-類似-連用形
4	B	［のごとく］見える		判ずる・判じる（はんずる・はんじる）

Pragmatics

Category	Effect
前景化 (foregrounding)	虱を見続けるという修行を行い続ける事で、あらゆるものが巨大に見え始めるという特殊な知覚を背景として、豚がそれ自体よりも巨大に見えることを前景化している。

用例一覧, 中島敦, 「名人伝」, 『中島敦』, 直喩・シミリ (simile), 前景化 (foregrounding), さい=丘陵, 丘陵（きゅうりょう）, さい（さい）, AはBのごとく見える, は-既出のものに関する判断の主題, の-「ようだ」「ごとし」で受ける場合, ごとし-類似-連用形, 判ずる・判じる（はんずる・はんじる）, Y-Inoue, Y-Kasuga, Y-Kasuga, T-Komatsubara, R-Kikuchi

最終更新: 2024/01/26 12:13 (外部編集)