「虎と蛇とは霧の如く、夜風と共に消え失せて」

「虎の牙に噛まれるか、蛇の舌に呑まれるか、杜子春の命は瞬く内に、なくなってしまうと思った時、虎と蛇とは霧の如く、夜風と共に消え失せて、後には唯、絶壁の松が、さっきの通りこうこうと枝を鳴らしているばかりなのです。」

Context	Focus	Standard	Context
	霧	虎と蛇

	Category
1	直喩・シミリ (simile)
2	明晰 (clarity)

	Source	Relation	Target	Pattern
1	霧	=	とら	マングース=霧
2	霧	=	へび	爬虫類=霧

Construction	AはBのごとくC
Mapping Type	概念メタファー

	Preceding	Morpheme	Following	Usage
1	A	は	C	は-既出のものに関する判断の主題
2	B	の［ごとく］	C	の-「ようだ」「ごとし」で受ける場合
3	B	［の］ごとく	C	ごとし-類似-連用形

Category	Effect
明晰 (clarity)	霧のもつ触れず、時間とともに消え去るという性質を持ち出すことで、杜子春が見ていた虎と蛇が幻覚であり実物ではなかったことを分かりやすく表現する。