ex:a0633

「サーッというやや寒い風が下して来た」

「サーッというやや寒い風が下して来た」

Page Type Example
Example ID a0633
Author 幸田露伴
Piece 「観画談」
Reference 『幸田露伴』
Pages in Reference 106-107

Text

天(そら)は先刻(さっき)から薄暗くなっていたが、サーッというやや寒い風が下して来たかと見る間に、楢(なら)や槲(かしわ)の黄色な葉が空からばらついて降って来ると同時に、木の葉の雨ばかりではなく、ほん物の雨もはらはらと遣って来た。

Context Focus Standard Context
サーッ () というやや寒い風

  • やや寒い風が「サーッと」下して来た、が通常の語法。オノマトペ副詞が、名詞「風」と同格に置かれている。

Rhetoric
Semantics

Source Relation Target Pattern
1 さあっと > さっと>風

Grammar

Construction
Mapping Type

 

Lexical Slots Conceptual Domain

 

Preceding Morpheme Following Usage

Pragmatics

Category Effect
声喩・オノマトペ (onomatoeia) 「Xという」という構文により、「サーッ」というオノマトペが、その音を生み出すような風を表している。
自然描写 (description of nature) 一陣の風が突如、ある程度の強さで吹いてきたことが分かる。
迫真法・活写法・現前化 (hypotyposis) オノマトペを使うことで、その場で目や耳に入ってきた風景・音を感じたままに表現しているような印象を与える。

最終更新: 2024/01/26 12:13 (外部編集)