ex:a0178

「あの女ときたら、残忍なタマカイ魚」

「あの女ときたら、残忍なタマカイ魚」

Page Type Example
Example ID a0178
Author 中島敦
Piece 「夫婦」
Reference 『中島敦』
Pages in Reference 222

Text

他処からモゴルに来たあの女ときたら、淫乱な牝豚だ。母を知らない家無し女だ。歯に毒をもったヤウス魚。兇悪な大蜥蜴(とかげ)。海の底の吸血魔。残忍なタマカイ魚

Context Focus Standard Context
残忍なタマカイ魚 (リメイ)

  • 提題部分は省略されている。

Rhetoric
Semantics

Source Relation Target Pattern
1 はた = 女=ぼら

Grammar

Construction AはB-C
Mapping Type 概念メタファー

 

Lexical Slots Conceptual Domain
A Target
B Source
C Source

 

Preceding Morpheme Following Usage
1 A C は-一般的事物に対する判断の主題
2 B - C 統語関係

Pragmatics

Category Effect
明晰 (clarity) 下唇が肥大した大きな口を持ったタマカイを引き合いに出し、タマカイがその大きな口で生物を飲み込む姿を連想させ、女の残忍さをはっきりと示す。
人物描写 (description of a character) 一連の比喩によって「あの女」の下劣さを描いている。
評価 (evaluation) 一連の比喩によって「あの女」に対する否定的評価を示している。
過大誇張 (auxesis) タマカイ魚のたとえが女への罵倒の強さを増幅させる。
漸層法・クライマックス (climax) 比喩の列挙が進むにしがって否定的評価がより強く感じられる。

最終更新: 2024/01/26 12:13 (外部編集)