index:effect
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index:effect [2024/02/13 10:29] tk [表出的効果] |
index:effect [2024/02/13 10:46] (現在) tk [修辞的効果] |
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====== 修辞的効果 ====== | ====== 修辞的効果 ====== | ||
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レトリックの主な目的は、表現法を工夫することで、受け手に何らかの効果を与えることです。効果を分析するというのは、ある言語表現を使うことによって、その結果として受け手に何が起こるのかを分析することだと言えます。修辞的効果とは、レトリックによる表現効果です。修辞的効果としては、例えば、自然現象がまるで人間の感情をもっているかのように感じられる、表現が簡潔になり伝達する意味が凝縮される、アイロニカルな調子が出る、反復による音楽的な効果が出る、などがあります。 | レトリックの主な目的は、表現法を工夫することで、受け手に何らかの効果を与えることです。効果を分析するというのは、ある言語表現を使うことによって、その結果として受け手に何が起こるのかを分析することだと言えます。修辞的効果とは、レトリックによる表現効果です。修辞的効果としては、例えば、自然現象がまるで人間の感情をもっているかのように感じられる、表現が簡潔になり伝達する意味が凝縮される、アイロニカルな調子が出る、反復による音楽的な効果が出る、などがあります。 | ||
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対話的 (dialogic) な効果は、言語表現の受け手を焦点化します。 | 対話的 (dialogic) な効果は、言語表現の受け手を焦点化します。 | ||
- | 言語表現を効果的に用いると、表現を受け取る主体に影響を与えることができます。対話的効果は、説得力、配慮、期待などを暗示する修辞的効果です。 | + | 言語表現を効果的に用いると、表現を受け取る主体に影響を与えることができます。対話的効果は、含意、説得力、配慮などを示す修辞的効果です。 |
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[[category:metalanguage]]は何らかの理由で言語表現に注意を引くために用いられる言語を言います。 | [[category:metalanguage]]は何らかの理由で言語表現に注意を引くために用いられる言語を言います。 | ||
- | === 音韻論への注目 === | + | === 音韻への注目 === |
* [[category:jingle]]は同音または類似語のくり返しによって調子よく響くように配列したことばや詩です。 | * [[category:jingle]]は同音または類似語のくり返しによって調子よく響くように配列したことばや詩です。 | ||
* [[category:rhythm]]は一定の拍数の句やその組み合わせを規則的にくりかえす修辞技法です。 | * [[category:rhythm]]は一定の拍数の句やその組み合わせを規則的にくりかえす修辞技法です。 | ||
+ | * [[category:homonymy]]は発音が全く同じで意味が異なることです。 | ||
- | + | === 文字への注目 === | |
- | === 文字論への注目 === | + | |
* [[category:jinazo]]は漢字本来の意味とは関係なく文字構成を分解して、別の意味に読み替えるような文字遊びです。 | * [[category:jinazo]]は漢字本来の意味とは関係なく文字構成を分解して、別の意味に読み替えるような文字遊びです。 | ||
* [[category:metagraph]]は規範とされる正書法を意図的に破って修辞的効果を高める手法です。 | * [[category:metagraph]]は規範とされる正書法を意図的に破って修辞的効果を高める手法です。 | ||
- | === 形態論 === | + | === 語構成への注目 === |
* [[category:back-formation]]は本来なかった派生や転成の関係を考えて、もとになったと思われる語をつくりだすことです。 | * [[category:back-formation]]は本来なかった派生や転成の関係を考えて、もとになったと思われる語をつくりだすことです。 | ||
- | * [[category:blending]]は2個の音,語句または構文が混同合成されて,新しい音,語句または構文を生み出すことです。 | + | * [[category:blending]]は2個の音,語句または構文が混同合成されて、新しい音、語句または構文を生み出すことです。 |
- | * [[category:dead-metaphor]]は使い古される間に比喩性が薄れて慣用句のように固定化し,比喩起源であることがほとんど意識にのぼらなくなった段階の隠喩です。 | + | |
- | * [[category:catachresis]]は名称を欠いている事物を表意するために用いられた転義的文彩です。 | + | |
* [[category:neology]]は新しい語彙単位の形成過程です。 | * [[category:neology]]は新しい語彙単位の形成過程です。 | ||
* [[category:clipping]]は長い言葉が縮まってできたものです。 | * [[category:clipping]]は長い言葉が縮まってできたものです。 | ||
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* [[category:compound]]は二つ(以上)の語または語基、連結形の合成結合によってできた語です。 | * [[category:compound]]は二つ(以上)の語または語基、連結形の合成結合によってできた語です。 | ||
* [[category:mojiri]]はもとの音を少しよじり歪めて、それらしく聞かせる技巧です。 | * [[category:mojiri]]はもとの音を少しよじり歪めて、それらしく聞かせる技巧です。 | ||
- | * [[category:nonce-word]]は語本来の用法に従うのではなく,表現の揚に臨時的に適合するように用いた(または形成した)語です。 | + | * [[category:nonce-word]]は語本来の用法に従うのではなく、表現の揚に臨時的に適合するように用いた(または形成した)語です。 |
- | === 統語論 === | + | === 文構造への注目 === |
- | * [[category:idiom]]は語句の結びつきが習慣的であり、特殊な語感や意味内容をもっているものです。 | + | * [[category:idiom]]は語句の結びつきが慣習的であり、特殊な語感や意味内容をもっているものです。 |
- | * [[category:solecism]]はある言語(口語・文語を問わず)の慣用法または文法規則に関し,標準的用法に違反することです。 | + | * [[category:solecism]]はある言語の慣用法または文法規則に関し、標準的用法に違反することです。 |
* [[category:synesis]]は形態的な一致よりもむしろ意味を重視した構文です。 | * [[category:synesis]]は形態的な一致よりもむしろ意味を重視した構文です。 | ||
* [[category:malapropism]]は語(句)のこっけいな誤用のことです。 | * [[category:malapropism]]は語(句)のこっけいな誤用のことです。 | ||
ライン 293: | ライン 287: | ||
- | === 意味論 === | + | === 意味への注目 === |
- | 以下の効果は、表現の意味の慣習性に関連しています。 | + | ある語句がどんな意味であるか、メタ的に意識させる表現があります。 |
* [[category:engo]]は主想となる語と意味的に関連のある語を意図的に詠い込むことです。 | * [[category:engo]]は主想となる語と意味的に関連のある語を意図的に詠い込むことです。 | ||
* [[category:pleonasm]]は主として滑稽感を出すため,論理的には不必要な過剰表現をことさらくどく付け加える修辞技法です。 | * [[category:pleonasm]]は主として滑稽感を出すため,論理的には不必要な過剰表現をことさらくどく付け加える修辞技法です。 | ||
- | * [[category:homonymy]]は発音が全く同じで意味が異なることです。 | ||
* [[category:tautology]]は「AはA」のように主語と述部に同じ言葉を繰り返す文彩です。 | * [[category:tautology]]は「AはA」のように主語と述部に同じ言葉を繰り返す文彩です。 | ||
+ | * [[category:dead-metaphor]]は使い古される間に比喩性が薄れて慣用句のように固定化し,比喩起源であることがほとんど意識にのぼらなくなった段階の隠喩です。 | ||
+ | * [[category:catachresis]]は名称を欠いている事物を表意するために用いられた転義的文彩です。 | ||
* [[category:definition]]は物事を短く説明することです。 | * [[category:definition]]は物事を短く説明することです。 | ||
* [[category:antonym]]は意味的に反対関係にある二つ(以上)の語です。 | * [[category:antonym]]は意味的に反対関係にある二つ(以上)の語です。 | ||
* [[category:antonomasia]]は同類一般を表す名辞の代わりに固有名を用いること、あるいは逆に、固有名の代わりに同類一般を表す名辞を用いることです。 | * [[category:antonomasia]]は同類一般を表す名辞の代わりに固有名を用いること、あるいは逆に、固有名の代わりに同類一般を表す名辞を用いることです。 | ||
- | + | === 文体への注目 === | |
- | === 文体論 === | + | |
* [[category:archaism]]は今日ではふつう用いない古い単語・語法・文体です。 | * [[category:archaism]]は今日ではふつう用いない古い単語・語法・文体です。 | ||
ライン 313: | ライン 307: | ||
* [[category:slang]]は話しことばに新しく用いられるようになった新しい語詞・語句・慣用的な表現などのうち、改まった場席で用いられないものです。 | * [[category:slang]]は話しことばに新しく用いられるようになった新しい語詞・語句・慣用的な表現などのうち、改まった場席で用いられないものです。 | ||
* [[category:vulgarism]]は無教育な階層に行なわれる卑俗な言語的特徴です。 | * [[category:vulgarism]]は無教育な階層に行なわれる卑俗な言語的特徴です。 | ||
- | * [[category:variation]]は語句前後,用語転換,長短参差(しんし),諸体交用などによって,文章の表現面に変化をつける修辞技法です。 | + | * [[category:variation]]は語句前後、用語転換、長短参差(しんし)、諸体交用などによって、文章の表現面に変化をつける修辞技法です。 |
* [[category:literary-language]]は口頭で話す話し言葉に対する文章語です。 | * [[category:literary-language]]は口頭で話す話し言葉に対する文章語です。 | ||
* [[category:buntairakusa]]は表現様式の形態と内容とのギャップをことさら目立たせる修辞技法です。 | * [[category:buntairakusa]]は表現様式の形態と内容とのギャップをことさら目立たせる修辞技法です。 | ||
* [[category:clarity]]は文体が明瞭で明快であることです。 | * [[category:clarity]]は文体が明瞭で明快であることです。 | ||
* [[category:vogue-word]]は新語の一種で、その時代に適応した用語です。 | * [[category:vogue-word]]は新語の一種で、その時代に適応した用語です。 | ||
- | * [[category:variation]]は語句前後、用語転換、長短参差(しんし)、諸体交用などによって、文章の表現面に変化をつける修辞技法です。 | ||
- | === 談話・テクスト論 === | + | === 談話・テクストへの注目 === |
- | 以下の効果は、テクストに言及するテクスト、つまり間テクスト性をもつテクストに関係します。引用のレトリックは、既に確立され慣習化された表現について、それを引き合いに出すことで、もう一度再利用する。既に確立された表現に、注釈を付け加えることで新たな意味づけを与えることができる。また、既存の表現の一部を変形して拡張することで、新たな表現を生み出していくこともできる。 | + | テクストに言及するテクストは、談話に言及する談話は、間テクスト性をもちます。 |
* [[category:allusion]]は著名な原表現をそのまま引用するのではなく、それを連想する契機となるような言語表現を用意することにより、表面上の意味がひととおり通るようにしながら、同時にその裏に別の映像をフラッシュのように流す修辞技法です。 | * [[category:allusion]]は著名な原表現をそのまま引用するのではなく、それを連想する契機となるような言語表現を用意することにより、表面上の意味がひととおり通るようにしながら、同時にその裏に別の映像をフラッシュのように流す修辞技法です。 | ||
- | * [[category:quotation]]は表現効果を高めるために,世人によく知られた文句や著名な作品の文句を,それとなく取り入れて表現する修辞法です。 | + | * [[category:quotation]]は表現効果を高めるために、世人によく知られた文句や著名な作品の文句を、それとなく取り入れて表現する修辞法です。 |
* [[category:crossing]]は既成のことわざを踏まえながら、その一部を差し換えることによって、その論理をひっくりかえす手法です。 | * [[category:crossing]]は既成のことわざを踏まえながら、その一部を差し換えることによって、その論理をひっくりかえす手法です。 | ||
- | * [[category:direct-narration]]は被伝達部(reported speech)を被伝達者のことばどおりに伝える方法です。 | + | * [[category:direct-narration]]は被伝達部を被伝達者のことばどおりに伝える方法です。 |
- | * [[category:indirect-speech]]は被伝達部(reported speech)を伝達者のことばに直して伝える方法です。 | + | * [[category:indirect-speech]]は被伝達部を伝達者のことばに直して伝える方法です。 |
- | * [[category:apostrophe]]は演説などの途中で話し手が,また,詩文などの途中で作者が,説いてきたり語ってきた話題の中で感情の高まりあふれるあまり、その話題を中断し、神や第三者や物に対して呼びかけることです。 | + | * [[category:apostrophe]]は演説などの途中で話し手が、また、詩文などの途中で作者が、説いてきたり語ってきた話題の中で感情の高まりあふれるあまり、その話題を中断し、神や第三者や物に対して呼びかけることです。 |
* [[category:stichomythia]]は2人の人物が通例1行ずつの詩で交互に対話していく形式です。 | * [[category:stichomythia]]は2人の人物が通例1行ずつの詩で交互に対話していく形式です。 | ||
ライン 338: | ライン 331: | ||
表現形式の等価性(ないしは反復)を前景化すると、意味ではなく、形式の価値を引き出すことができます。表現の形式の価値を引き出すのが詩的効果です。 | 表現形式の等価性(ないしは反復)を前景化すると、意味ではなく、形式の価値を引き出すことができます。表現の形式の価値を引き出すのが詩的効果です。 | ||
- | === 類像性 === | ||
- | |||
- | 言語記号は、通常その形式の音韻的性質とは無関係な概念内容を表す。つまり、原則として言語記号は、形式と意味が恣意的に結合する。 | ||
- | |||
- | * [[category:iconicity]]はある発話の意味論的(「内容」)レベルと統語論的(「形式」)レベルの間の調和です。 | ||
- | * [[category:sound-symbolism]]はその語の意味と何らかのつながりがあると感じられる音です。 | ||
- | * [[category:onomatoeia]]はオノマトペを用いて感覚的に伝達する表現法です。 | ||
=== 反復 === | === 反復 === | ||
- | * [[category:repetition]]は表現効果を高めるために,同一または類似の語句またはその一部を繰り返す修辞法の総称です。 | + | [[category:repetition]]は表現効果を高めるために、同一または類似の語句またはその一部を繰り返す修辞法の総称です。 |
- | * [[category:rhyme]]は詩句や詩行の終わりあるいは始まりに,同じ音をもつ語を配置し,そのくり返しによるリズムの効果とともに,同音に喚起される連想効果をもたらそうとする技法です。 | + | |
+ | * [[category:rhyme]]は詩句や詩行の終わりあるいは始まりに、同じ音をもつ語を配置し、そのくり返しによるリズムの効果とともに、同音に喚起される連想効果をもたらそうとする技法です。 | ||
* [[category:end-rhyme]]は句や文の末尾を同じ音でそろえる修辞技法です。 | * [[category:end-rhyme]]は句や文の末尾を同じ音でそろえる修辞技法です。 | ||
* [[category:rhythm]]は一定の拍数の句やその組み合わせを規則的にくりかえす修辞技法です。 | * [[category:rhythm]]は一定の拍数の句やその組み合わせを規則的にくりかえす修辞技法です。 | ||
- | * [[category:epanados]]はすぐに反復せず,しばらく間を空けて前の語句をくりかえす修辞技法です。 | + | * [[category:epanados]]はすぐに反復せず、しばらく間を空けて前の語句をくりかえす修辞技法です。 |
- | * [[category:epanalepsis]]は同一の語句を連続的に用いるなど,文章中の一定箇所に同じことばをちりばめる修辞技法です。 | + | * [[category:epanalepsis]]は同一の語句を連続的に用いるなど、文章中の一定箇所に同じことばをちりばめる修辞技法です。 |
* [[category:diacope]]は同一の行または文の中で同じことばをくりかえして強調効果をはかる修辞技法です。 | * [[category:diacope]]は同一の行または文の中で同じことばをくりかえして強調効果をはかる修辞技法です。 | ||
- | * [[category:epistrophe]]は強調などの表現効果を挙げるために,前の文(または節・句)の最後の語句を次の文(または節・句)の終わりで繰り返す修辞法です。 | ||
* [[category:epizeuxis]]は同じ語句を繰り返すことによって強調性を高める修辞法です。 | * [[category:epizeuxis]]は同じ語句を繰り返すことによって強調性を高める修辞法です。 | ||
+ | * [[category:epistrophe]]は強調などの表現効果を挙げるために、前の文(または節・句)の最後の語句を次の文(または節・句)の終わりで繰り返す修辞法です。 | ||
* [[category:jingle]]は同音または類似語のくり返しによって調子よく響くように配列したことばや詩です。 | * [[category:jingle]]は同音または類似語のくり返しによって調子よく響くように配列したことばや詩です。 | ||
* [[category:tautology]]は「AはA」のように主語と述部に同じ言葉を繰り返す文彩です。 | * [[category:tautology]]は「AはA」のように主語と述部に同じ言葉を繰り返す文彩です。 | ||
* [[category:ploce]]は同族目的文を用いる形で同語をくりかえす修辞技法です。 | * [[category:ploce]]は同族目的文を用いる形で同語をくりかえす修辞技法です。 | ||
* [[category:polyptoton]]は同一文章内で同じ語を屈折変化させて反復する修辞法です。 | * [[category:polyptoton]]は同一文章内で同じ語を屈折変化させて反復する修辞法です。 | ||
- | * [[category:paronomasia]]は音の同じ語や類似した語を重ねて用い,意味の荘重さ・対照的なおもしろ味・意外さなどの効果を狙う修辞法です。 | + | * [[category:paronomasia]]は音の同じ語や類似した語を重ねて用い、意味の荘重さ・対照的なおもしろ味・意外さなどの効果を狙う修辞法です。 |
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+ | === 類像性 === | ||
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+ | [[category:iconicity]]はある発話の意味論的(「内容」)レベルと統語論的(「形式」)レベルの間の調和です。 | ||
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+ | * [[category:sound-symbolism]]はその語の意味と何らかのつながりがあると感じられる音です。 | ||
+ | * [[category:onomatoeia]]はオノマトペを用いて感覚的に伝達する表現法です。 | ||
+ | * [[category:epizeuxis]]は同じ語句を繰り返すことによって強調性を高める修辞法です。 | ||
+ | * [[category:diacope]]は同一の行または文の中で同じことばをくりかえして強調効果をはかる修辞技法です。 | ||
=== ことば遊び === | === ことば遊び === | ||
- | ことば遊び系のレトリックは、意味のあることを表現すべしという、基本的なコミュニケーションの原則から外れている。フランス語のことば遊びを体系的に探求したGuiraudo (1976) は、ことば遊びを、二つ(あるいはいくつもの)意味を表す文を使っている表現と規定している。このコーパスでは、[[category:wordplay-w]]という用語を、Guiraudoの広い意味で用いる。 | + | [[category:wordplay]]は音声言語であれ文字言語であれ、言語本来の機能である伝達を目的とするのではなく、楽しみやゲームの材料や手段として言語を用いて、おもしろさやおかしさを求めることです。 |
- | * [[category:wordplay]]は音声言語であれ文字言語であれ,言語本来の機能である伝達を目的とするのではなく,楽しみやゲームの材料や手段として言語を用いて,おもしろさやおかしさを求めることです。 | + | ことば遊びは、意味を背景化し、形式を前景化します。 |
- | * [[category:pun]]は同一の語を異なった意味に用いたり,同音(または類似の音)異義語を掛けて用いる言葉遊びです。 | + | |
+ | * [[category:pun]]は同一の語を異なった意味に用いたり、同音(または類似の音)異義語を掛けて用いる言葉遊びです。 | ||
* [[category:jinazo]]は漢字本来の意味とは関係なく文字構成を分解して、別の意味に読み替えるような文字遊びです。 | * [[category:jinazo]]は漢字本来の意味とは関係なく文字構成を分解して、別の意味に読み替えるような文字遊びです。 | ||
* [[category:malapropism]]は語(句)のこっけいな誤用のことです。 | * [[category:malapropism]]は語(句)のこっけいな誤用のことです。 | ||
- | * [[category:expletive]]は主として韻律をととのえるため,実質的な意味の稀薄な形式的な語句を付加する修辞技法です。 | + | * [[category:expletive]]は主として韻律をととのえるため、実質的な意味の稀薄な形式的な語句を付加する修辞技法です。 |
* [[category:punctuation]]は口調がよくなるように句読点の位置を操作する修辞技法です。 | * [[category:punctuation]]は口調がよくなるように句読点の位置を操作する修辞技法です。 | ||
- | * [[category:pleonasm]]は主として滑稽感を出すため,論理的には不必要な過剰表現をことさらくどく付け加える修辞技法です。 | + | * [[category:pleonasm]]は主として滑稽感を出すため、論理的には不必要な過剰表現をことさらくどく付け加える修辞技法です。 |
- | * [[category:dajare]]は一つの音構成に複数の意味をもたせる目的で,情報伝達としては無意味なことばを添える修辞技法です。 | + | * [[category:dajare]]は一つの音構成に複数の意味をもたせる目的で、情報伝達としては無意味なことばを添える修辞技法です。 |
* [[category:mojiri]]はもとの音を少しよじり歪めて、それらしく聞かせる技巧です。 | * [[category:mojiri]]はもとの音を少しよじり歪めて、それらしく聞かせる技巧です。 | ||
- | * [[category:paronomasia]]は音の同じ語や類似した語を重ねて用い,意味の荘重さ・対照的なおもしろ味・意外さなどの効果を狙う修辞法です。 | + | * [[category:paronomasia]]は音の同じ語や類似した語を重ねて用い、意味の荘重さ・対照的なおもしろ味・意外さなどの効果を狙う修辞法です。 |
最終更新: 2024/02/13 10:29