ex:a2430

「——できない。——異(ちが)う。——なんにもない。」

「——できない。——異(ちが)う。——なんにもない。」

Page Type Example
Example ID a2430
Author 梶井基次郎
Piece 「愛撫」
Reference 『梶井基次郎』
Pages in Reference 38

Text

この頃、私はまた別なことを空想しはじめている。それは、猫の爪をみんな切ってしまうのである。猫はどうなるだろう? おそらく彼は死んでしまうのではなかろうか? いつものように、彼は木登りをしようとする。——できない。人の裾を目がけて跳びかかる。——異(ちが)う。爪を研ごうとする。——なんにもない

Context Focus Standard Context
——できない。——異う。——なんにもない。 ()

  • 仮想的状況のなかで、猫が考えるであろうことを代弁している。

Rhetoric
Semantics

Source Relation Target Pattern

Grammar

Construction
Mapping Type

 

Lexical Slots Conceptual Domain

 

Preceding Morpheme Following Usage

Pragmatics

Category Effect
隔行対話 (stichomythia) ダッシュありとなしの文が交互に繰り返すことによって、空想上の猫と語り手の対話の形式を表現している。

最終更新: 2024/01/26 12:13 (外部編集)