ex:a2108

「嘘のない生活という言葉からしてすでに嘘であった」

「嘘のない生活という言葉からしてすでに嘘であった」

Page Type Example
Example ID a2108
Author 太宰治
Piece 「ロマネスク」
Reference 『太宰治』
Pages in Reference 56

Text

嘘のない生活。その言葉からしてすでにであった。美きものを美しと言い、悪しきものを悪しという。それも嘘であった。だいいち美きものを美しと言いだす心に嘘があろう。あれも汚い、これも汚い、と三郎は毎夜ねむられぬ苦しみをした。

Context Focus Standard Context
嘘のない生活。その言葉からしてすでに () であった

Rhetoric
Semantics

Source Relation Target Pattern
1 正直 ←→ 不誠実 正直<-->無責任

Grammar

Construction
Mapping Type

 

Lexical Slots Conceptual Domain

 

Preceding Morpheme Following Usage

Pragmatics

Category Effect
メタ言語 (metalanguage) 「嘘のない」という真理条件に関する言及を「嘘」であると言うことで、メタ的な視点の転換を生んでいる。
評価 (evaluation) メタ言語的な言及によって、「嘘のない生活」というものの虚構性を指摘している。

最終更新: 2024/01/26 12:13 (外部編集)