ex:a2093

「花弁は赤きに似て白く」

「花弁は赤きに似て白く」

Page Type Example
Example ID a2093
Author 太宰治
Piece 「ロマネスク」
Reference 『太宰治』
Pages in Reference 52

Text

一昨日、墨堤を散歩し奇妙な草花を見つけた、花弁は朝顔に似て小さく豌豆(えんどう)に似て大きくいろ赤きに似て白く珍らしきものゆえ、根ごと抜きとり持ちかえってわが部屋の鉢に移し植えた、

Context Focus Standard Context
赤き () に似て白く

Rhetoric
Semantics

Source Relation Target Pattern
1 赤い ←→ 白い 赤い<-->白い

Grammar

Construction
Mapping Type

 

Lexical Slots Conceptual Domain

 

Preceding Morpheme Following Usage

Pragmatics

Category Effect
撞着語法・対義結合・オクシモロン (oxymoron) 「赤い」と「白い」は基本的に両立しないが、「白く」を「赤きに似て」と修飾して矛盾を生み出している。
奇想 (conceit) 「…奇妙な草花を見つけた、花弁は朝顔に似て小さく豌豆(えんどう)に似て大きく」と合わせて考えると、現実の描写ではなく奇妙さそのものを追求した表現にも感じられる。

最終更新: 2024/01/26 12:13 (外部編集)