ex:a2008

「魔物はあんなひっそりしたういういしいみたいな姿をしているものなのでしょうか」

「魔物はあんなひっそりしたういういしいみたいな姿をしているものなのでしょうか」

Page Type Example
Example ID a2008
Author 太宰治
Piece 「ヴィヨンの妻」
Reference 『太宰治』
Pages in Reference 422

Text

私には奇妙にあの晩の、大谷さんのへんに静かで上品な素振りが忘れられません。魔物がひとの家にはじめて現われる時には、あんなひっそりした、ういういしいみたいな姿をしているものなのでしょうか。

Context Focus Standard Context
ひっそりした、ういういしい (姿)

  • 後続文脈に、「大谷さん」について「私どもがあのひとからお金をいただいたのは、あとにもさきにも、ただこの時いちど切り、それからはもう、なんだかんだとごまかして、三年間、一銭のお金も払わずに、私どものお酒をほとんどひとりで、飲みほしてしまったのだから、呆れるじゃありませんか」とある。

Rhetoric

  • 「ういういしい」という形容詞が名詞のように「みたいな」に連接している。

Semantics

Source Relation Target Pattern

Grammar

Construction AみたいなB
Mapping Type 概念メタファー

 

Lexical Slots Conceptual Domain
A Source
B Target

 

Preceding Morpheme Following Usage
1 あんな B あの(あの)
2 A みたいな B みたい-類似-連体形

Pragmatics

Category Effect
評価 (evaluation) 「大谷さん」の行動には密やかさやういういしさがあるにもかかわらず、その本性は魔物であることを表す。
人物描写 (description of a character) 「大谷さん」の上品な姿とその裏側の魔性を描く。

最終更新: 2024/01/26 12:13 (外部編集)