ex:a1963
「本といふよりも寧ろ世紀末それ自身だつた」
以前のリビジョンの文書です
lv5-「本といふよりも寧ろ世紀末それ自身だつた」
Example ID | a1963 |
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Category | 換喩・メトニミー (metonymy) |
Text
「そのうちに日の暮は迫り出した。しかし彼は熱心に本の背文字を読みつづけた。そこに並んでゐるのは本といふよりも寧ろ世紀末それ自身だつた。ニイチエ、ヴエルレエン、ゴンクウル兄弟、ダスタエフスキイ、ハウプトマン、フロオベエル、……」(芥川龍之介「或阿呆の一生」: 399)
Context | Focus | Standard | Context |
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世紀末それ自身 | 本 |
- 列挙されている作家の中で、ハウプトマンとゴンクール兄弟の弟を除いて、全員1880年から1900年の間、つまり19世紀末に死去している。ニーチェは1900年、ヴェルレーヌは1896年、ゴンクール兄弟の兄エドモン・ド・ゴンクールは1896年(弟のジュール・ド・ゴンクールは1870年)、ドストエフスキーは1881年、フローベールは1880年に死去している。ハウプトマンの邦訳『日の出前』『織工』『沈鐘―独逸風の童話劇』『寂しき人々』などは、いずれも1890年代の作品である。
Conceptual Mappings
Figurative Construction
Construction | TというよりもむしろSそれ自身 |
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Mapping Schema | Source > Target ← Frame |
Functional Type | 特徴同定構文 |
Rhetorical Effects
- 象徴的 世紀末に書かれた本が、世紀末の象徴であると感じられる。
最終更新: 2019/09/26 16:54