ex:a1817

「この店を飲みほすと思うと」

「この店を飲みほすと思うと」

Page Type Example
Example ID a1817
Author 坂口安吾
Piece 「金銭無情」
Reference 『坂口安吾』
Pages in Reference 345

Text

二ヶ月あまりで店の酒類も飲みほしたが、彼のヘソクリも終りを告げるところへ来てしまった。しかしまだ店を売るという最後の手段が残っている。これより、この店を飲みほすと思うと、なんとなく胃袋に手ごたへのあるような爽やかな気もする。

Context Focus Standard Context
この店を 飲みほす (売却した資金で酒を飲む)

Rhetoric
Semantics
Grammar

Construction
Mapping Type

 

Lexical Slots Conceptual Domain

 

Preceding Morpheme Following Usage

Pragmatics

Category Effect
転用語法 (enallage) 店の酒を飲みほすことが店を売ることにつながり、それのどちらも「飲みほす」という語で表している。
重義法・秀句 (pun) 「飲む」という言葉に二重の意味が込められている。
省略法・省略 (ellipsis) 飲酒によって金がなくなり、店を手放すことになることを「店を飲みほす」と簡潔に表現している。

最終更新: 2024/01/26 12:13 (外部編集)