ex:a1753

「府道を流れている避難民達」

「府道を流れている避難民達」

Page Type Example
Example ID a1753
Author 坂口安吾
Piece 「白痴」
Reference 『坂口安吾』
Pages in Reference 281

Text

岩を洗う怒濤の無限の音のような、屋根を打つ高射砲の無数の破片の無限の落下の音のような、休止と高低の何もないザアザアという無気味な音が無限に連続しているのだが、それが府道を流れている避難民達の一かたまりの跫音(あしおと)なのだ。

Context Focus Standard Context
流れている (進んでいる) 避難民達

Rhetoric
Semantics

Source Relation Target Pattern
1 流れる = 進む 進む=流れる

  • 足音=波音の比喩の展開。同時に、聞こえている音が波音ではないということをメタ的に言語化している。

Grammar

Construction
Mapping Type

 

Lexical Slots Conceptual Domain

 

Preceding Morpheme Following Usage

Pragmatics

Category Effect
イメジャリー・イメージ (imagery) 大勢の避難民を全体として一つの集団として捉える表現。例えば小豆のような豆が皿の上で一斉に流れるときのようなまとまりをもって、淀みなく一定の速さで移動していっているという印象を与える。

最終更新: 2024/01/26 12:13 (外部編集)