ex:a1709

「はからざる随所に二つの顔をふと思いだし」

「はからざる随所に二つの顔をふと思いだし」

Page Type Example
Example ID a1709
Author 坂口安吾
Piece 「白痴」
Reference 『坂口安吾』
Pages in Reference 270

Text

彼には忘れ得ぬ二つの白痴の顔があった。街角を曲る時だの、会社の階段を登る時だの、電車の人ごみを脱けでる時だの、はからざる随所に二つのをふと思いだし、そのたびに彼の一切の思念が凍り、そして一瞬の逆上が絶望的に凍りついているのであった。

Context Focus Standard Context
二つの (表情) をふと思いだし

  • 同一ページに同じ表現がある。

Rhetoric
Semantics

Source Relation Target Pattern
1 > 表情 顔>表情

Grammar

Construction
Mapping Type

 

Lexical Slots Conceptual Domain

 

Preceding Morpheme Following Usage

Pragmatics

Category Effect
心理描写 (psychological-description) 「彼」の心的イメージとして、「白痴」の顔・表情が特徴的に思い出される様子を描く。
含意法 (implication) 「彼」が折に触れて思い出す「白痴」の顔・表情が、二人の間で起こった象徴的な出来事の存在を示唆する。

最終更新: 2024/01/26 12:13 (外部編集)