ex:a1646

「弾丸も飢餓もむしろ太平楽のようにすら思われる時があるほどだった」

「弾丸も飢餓もむしろ太平楽のようにすら思われる時があるほどだった」

Page Type Example
Example ID a1646
Author 坂口安吾
Piece 「白痴」
Reference 『坂口安吾』
Pages in Reference 256

Text

ひと思いに兵隊にとられ、考える苦しさから救われるなら、弾丸も飢餓もむしろ太平楽のようにすら思われる時があるほどだった。

Context Focus Standard Context
弾丸 (弾丸に狙われること) も飢餓も

  • 「弾丸」を使って何をするか(=狙う/狙われる)は、「飢餓」との並立から推測される。

Rhetoric
Semantics

Source Relation Target Pattern
1 弾丸 > 戦争 弾>戦争

Grammar

Construction
Mapping Type

 

Lexical Slots Conceptual Domain

 

Preceding Morpheme Following Usage

Pragmatics

Category Effect
省筆 (-) 後ろにつづく飢餓と合わせるために、短縮して表現した。
象徴・シンボル (symbol) 兵隊が取り扱う典型的・代表的事物として弾丸をとりあげる。
転用語法 (enallage) 殺傷を目的とする道具である弾丸すらも「太平楽」と形容することで、「考える苦しさ」の強さを示唆する。

最終更新: 2024/01/26 12:13 (外部編集)