ex:a1635

「うっとうしい能面のような美しい顔立ちで」

「うっとうしい能面のような美しい顔立ちで」

Page Type Example
Example ID a1635
Author 坂口安吾
Piece 「白痴」
Reference 『坂口安吾』
Pages in Reference 250

Text

気違いは風采堂々たる好男子であり、白痴の女房はこれも然るべき家柄の然るべき娘のような品の良さで、眼の細々とうっとうしい、瓜実顔の古風の人形か能面のような美しい顔立ちで、二人並べて眺めただけでは、美男美女、それも相当教養深遠な好一対としか見受けられない。

Context Focus Standard Context
眼の細々と うっとうしい () 瓜実顔の古風の人形か能面のような美しい顔立ち

Rhetoric
Semantics

Source Relation Target Pattern
1 うっとうしい ←→ 美しい 苦しい<-->美しい

Grammar

Construction
Mapping Type

 

Lexical Slots Conceptual Domain

 

Preceding Morpheme Following Usage

Pragmatics

Category Effect
category 「鬱陶しい」には「重苦しい」という意味があり、こちらの意味であれば「憂いを含んだ美」のように典型的であり修辞性は感じられないが、「鬱陶しい」は「煩わしい」「邪魔」の意味で使われることも多く、こちらの意味で捉えると斬新な表現となる。
人物描写 (description of a character) 「白痴の女房」の顔立ちを、眼の形に焦点を当てて描いている。

最終更新: 2024/01/26 12:13 (外部編集)