ex:a1623

「反逆自体が愛情なのだ」

「反逆自体が愛情なのだ」

Page Type Example
Example ID a1623
Author 坂口安吾
Piece 「続堕落論」
Reference 『坂口安吾』
Pages in Reference 242-243

Text

しかして、この個の生活により、その魂の声を吐くものを文学という。文学は常に制度の、又、政治への反逆であり、人間の制度に対する復讐であり、しかして、その反逆と復讐によって政治に協力しているのだ。反逆自体が協力なのだ。愛情なのだ。これは文学の宿命であり、文学と政治との絶対不変の関係なのである。

Context Focus Standard Context
反逆自体が 愛情 () なのだ

Rhetoric
Semantics

Source Relation Target Pattern
1 愛情 ←→ 反逆 愛<-->革命

Grammar

Construction
Mapping Type

 

Lexical Slots Conceptual Domain

 

Preceding Morpheme Following Usage

Pragmatics

Category Effect
奇想 (conceit) 通常「反逆」は対象に不利益を与える行為であるが、それが「愛情」という対象に利益を与える行為と結ばれることにより、文学と政治の間にある構造の複雑さと、主体間の意図とそれのもたらす効果の複雑さを表現している。
逆説・パラドクス (paradox) 並列されているため「反逆自体が愛情なのだ。」という関係だと読み取れるが、「反逆」という対立的な姿勢が「愛情」という融和的、積極的な姿勢であるという矛盾を孕んでいる。
定義 (definition) 通常は結びつくことのない「愛情」によって、文学による人間の制度への「反逆」がどのようなものであるのかが規定されている。

最終更新: 2024/01/26 12:13 (外部編集)