ex:a1571

「堕落のただ打ちよせる波のようなその当然な跫音に気づく」

「堕落のただ打ちよせる波のようなその当然な跫音に気づく」

Page Type Example
Example ID a1571
Author 坂口安吾
Piece 「堕落論」
Reference 『坂口安吾』
Pages in Reference 225

Text

節婦は二夫に見えず、忠臣は二君に仕えず、と規約を制定してみても人間の転落は防ぎ得ず、よしんば処女を刺し殺してその純潔を保たしめることに成功しても、堕落の平凡な跫音(あしおと)、ただ打ちよせる波のようなその当然な跫音に気づくとき、人為の卑小さ、人為によって保ち得た処女の純潔の卑小さなどは泡沫の如き虚しい幻像にすぎないことを見出さずにいられない。

Context Focus Standard Context
打ちよせる波 (堕落の足音)

Rhetoric
Semantics

Source Relation Target Pattern
1 = 堕落 デカダンス=波

  • 堕落=人、堕落=波の混合比喩。

Grammar

Construction AのようなBなC
Mapping Type 概念メタファー

 

Lexical Slots Conceptual Domain
A Source
B Elaboration
C Elaboration

 

Preceding Morpheme Following Usage
1 A の[ような] C の-「ようだ」「ごとし」で受ける場合
2 A [の]ような C 様-類似-連体形
3 B C だ-断定・指定-連体形

Pragmatics
最終更新: 2024/01/26 12:13 (外部編集)