ex:a1254

「すでに私は石である」

「すでに私は石である」

Page Type Example
Example ID a1254
Author 梶井基次郎
Piece 「交尾」
Reference 『梶井基次郎』
Pages in Reference 64

Text

気をつけて見ていると実にいろんなところから——それが皆申し合わせたように同じぐらいずつ——恐る恐る顔を出すのである。すでに私はである。彼らは等しく恐怖をやり過ごした体で元のところへあがって来る。

Context Focus Standard Context
(私)

Rhetoric
Semantics

Source Relation Target Pattern
1 = 我=石

Grammar

Construction
Mapping Type

 

Lexical Slots Conceptual Domain

 

Preceding Morpheme Following Usage

Pragmatics

Category Effect
擬物法・結晶法 (hypostatization) 自分の意識が切り離された身体を石として捉えている。
イメジャリー・イメージ (imagery) 自分の意識を身体とは切り離し、周囲の環境・状況の変化に対して肉体が反応しない状況になっているということが、石のイメージによって端的に描写されている。
回帰反復 (epanados) それまでに出てきた同じ石の隠喩を受けた表現。

最終更新: 2024/01/26 12:13 (外部編集)