ex:a0673

「痩公卿の車を牽いてゐる、痩牛の歩みを見るやうな、みすぼらしい心もち」

以前のリビジョンの文書です


「痩公卿の車を牽いてゐる、痩牛の歩みを見る」

Example ID a0673
Category 直喩・シミリ (simile)
Text

「第一彼には着物らしい着物が一つもない。青鈍(あおにび)の水干と、同じ色の指貫とが一つづつあるのが、今ではそれが上白んで、藍とも紺とも、つかないやうな色に、なつてゐる。水干はそれでも、肩が少し落ちて、丸組の緒や菊綴の色が怪しくなつてゐるだけだが、指貫になると、裾のあたりのいたみ方が一通りでない。その指貫の中から、下の袴もはかない、細い足が出てゐるのを見ると、口の悪い同僚でなくとも、痩公卿(やせくげ)の車を牽いてゐる、痩牛の歩みを見るやうな、みすぼらしい心もちがする。」(芥川龍之介「芋粥」: 54)

Context Focus Standard Context
痩公卿の車を牽いてゐる、痩牛の歩みを見る (みずぼらしい心もちがする)
Conceptual Mappings
Figurative Constructions
Construction 隠喩性構文
Structure やうな
Function Source() = Target() ← Ground()
Rhetorical Effects
最終更新: 2019/08/01 14:35 (外部編集)