ex:a0602

「両側へ分かれるように、ずんずん目の前へ展開して来る」

「両側へ分かれるように、ずんずん目の前へ展開して来る」

Page Type Example
Example ID a0602
Author 芥川龍之介
Piece 「トロッコ」
Reference 『芥川龍之介』
Pages in Reference 11

Text

トロッコは最初徐ろに、それから見る見る勢よく、一息に線路を下り出した。その途端につき当りの風景は、忽ち両側へ分かれるように、ずんずん目の前へ展開して来る

Context Focus Standard Context
風景は…両側へ分かれるように 展開して来る ()

  • 直前の直喩が、虚構的な見えを具体化している。移動主体から見た、風景の相対的な移動を表す。

Rhetoric
Semantics

Source Relation Target Pattern
1 展開する ←→ 下る 展開する<-->下がる

Grammar

Construction
Mapping Type

 

Lexical Slots Conceptual Domain

 

Preceding Morpheme Following Usage

Pragmatics

Category Effect
迫真法・活写法・現前化 (hypotyposis) 目の前の風景を「展開する」という行為の主体として表すことで、単に視界に現れるのではなく、風景自体に動性があるものとして表現する。
風景描写 (scene-description) トロッコの下るスピードの速さや勢いの良さを表現する。

最終更新: 2024/01/26 12:13 (外部編集)