ex:a0037

「血相さえ変るかと思うほどあせりにあせって」

「血相さえ変るかと思うほどあせりにあせって」

Page Type Example
Example ID a0037
Author 芥川龍之介
Piece 「魔術」
Reference 『芥川龍之介』
Pages in Reference 244

Text

友人たちは、元より私から、あの金貨を残らず捲き上げるつもりで、わざわざ骨牌を始めたのですから、こうなると皆あせりにあせって、ほとんど血相さえ変るかと思うほど、夢中になって勝負を争い出しました。

Context Focus Standard Context
血相さえ変る あせりにあせって

Rhetoric
Semantics

Source Relation Target Pattern
1 焦る > 血相を変える 焦る>構える

  • 直喩的な表現であるが、焦ることは、誇張的に血相を変えることの原因になるので、概念的には転喩 (metalepsis)の関係がある。この転喩関係が推量構文によって明示されている。
  • 本文では「焦る」は「血相を変える」に先行する。

Grammar

 

Lexical Slots Conceptual Domain
A Elaboration
B Source
C Elaboration

 

Preceding Morpheme Following Usage
1 A C は-一般的事物に対する判断の主題
2 ほとんど ほとんど(ほとんど)
3 B か[と思うほど] C か-推定
4 B [か]と[思うほど] C と-心理的前提・動機
5 B [かと]思う[ほど] C 思う(おもう)
6 B [かと思う]ほど C ほど-動作や状態の程度

Pragmatics
最終更新: 2024/01/26 12:13 (外部編集)