ex:a0015

「未(いまだ)春を懐かざるもの」

「未(いまだ)春を懐かざるもの」

Page Type Example
Example ID a0015
Author 芥川龍之介
Piece 「開化の殺人」
Reference 『芥川龍之介』
Pages in Reference 220

Text

予が先輩にしてかつ知人たる成島柳北先生より、彼が西京祇園の妓楼に、雛妓(すうぎ)の未(いまだ)春を懐(いだ)かざるものを梳※(木偏に龍)(そろう)して、もって死に到らしめしを仄聞(そくぶん)せしも、実にこの間の事に属す。

Context Focus Standard Context
春を懐かざるもの (処女)

Rhetoric
Semantics

Source Relation Target Pattern
1 > 性交 春>性行為

Grammar

Construction
Mapping Type

 

Lexical Slots Conceptual Domain

 

Preceding Morpheme Following Usage

Pragmatics

Category Effect
婉曲語法 (euphemism) 春が性的心理を暗示する連想を下敷きにして、性的経験の少なさを婉曲的に表現している。
アナロジー・類推 (analogy) 売春という言葉にあるような、性行=春という隠喩をもとにした「性交しない=春を抱かない」という類推によって、処女であることを表現している。

最終更新: 2024/01/26 12:12 (外部編集)