ex:a0001

「予は硯に呵し」

以前のリビジョンの文書です


comp-「予は硯に呵し」

Example ID a0001
Category 転喩 (metalepsis)
Text

「予はこれ以上予の健全を喋々すべき余裕なし。予が生存すべき僅少なる時間は、直下(じきげ)に予を駆りて、予が殺人の動機と実行とを叙(じょ)し、更に進んで予が殺人後の奇怪なる心境に言及せしめずんば、已まざらんとす。されど、嗚呼されど、予は硯(けん)に呵(か)し紙(し)に臨んで、なお惶々として自ら安からざるものあるを覚ゆ。」(芥川龍之介「開化の殺人」: 214)

Context Focus Standard Context
硯に呵し (文章を書いて)
  • 「呵する」は、息をふきかけて温めるの意
  • 「硯に呵し」「紙に臨んで」は、ともに文章を書く行為の部分
Conceptual Mapping
Source Relation Target Pattern
温める > 書く Inference
Rhetorical Effect
Figurative Marker
最終更新: 2019/08/01 14:30 (外部編集)