ex:a0001

「予は硯に呵し」

「予は硯に呵し」

Page Type Example
Example ID a0001
Author 芥川龍之介
Piece 「開化の殺人」
Reference 『芥川龍之介』
Pages in Reference 214

Text

予はこれ以上予の健全を喋々すべき余裕なし。予が生存すべき僅少なる時間は、直下(じきげ)に予を駆りて、予が殺人の動機と実行とを叙(じょ)し、更に進んで予が殺人後の奇怪なる心境に言及せしめずんば、已まざらんとす。されど、嗚呼されど、予は硯(けん)に呵(か)し紙(し)に臨んで、なお惶々として自ら安からざるものあるを覚ゆ。

Context Focus Standard Context
硯に呵し (文章を書いて)

  • 「呵する」は、息をふきかけて温めるの意。

Rhetoric
Semantics

Source Relation Target Pattern
1 温める > 書く あたためる>書く

  • 「硯に呵し」「紙に臨んで」は、ともに文章を書く行為の部分。

Grammar

Construction
Mapping Type

 

Lexical Slots Conceptual Domain

 

Preceding Morpheme Following Usage

Pragmatics
最終更新: 2024/01/26 12:12 (外部編集)