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くびき語法 (zeugma)

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category:zeugma [2020/02/06 15:49]
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 ^  Hypernyms ​ |   | ^  Hypernyms ​ |   |
-^  Synonyms ​ | くびき語法,​ zeugma, 兼用法, syllepsis, ​[[category:​pun-ambiguous]],​ ,   ​|+^  Synonyms ​ | [[category:​pun-ambiguous]], ​zeugmasyllepsis  ​|
 ^  Hyponym ​ |   | ^  Hyponym ​ |   |
  
 == Definition == == Definition ==
  
-くびき語法 (zeugma) は、一類似を、通の言外名詞あるいは動詞で連結するレトリ+くびき語法 (zeugma) は、広義では、並立された複数の語句に対して単一の語句を用いる表現 (Lanham 1991: 159)。狭義くびき語法は、単一の語句並立された複数の語句に対して用いるもののうちどちらか一方の関係では文字りではない意味を補って解釈する必要があり、くびき表現が二重意味を担う表現 ​ (石橋 1973: 1010)。(1) に、狭義くびき語法の例を示す。 
 + 
 +  * (1) 遠慮していうちに、もてなした人の心も、料理も__冷めて__、不味くなったものを食わねばならぬ。(北大路魯山人『魯山人味道』:​ 330) 
 +  * (2) もてなした人の心も冷めて、料理も冷めてしまった。 
 + 
 +述部「冷めてしまった」が並立された2つの主部「人の心も」と「料理も」に対して用られている。(1) の主部の並立、(2) のように2つの節の並立に展開することでパラフーズできる。共通の述部をR、2つの主部を生起順序にしたがって W1, W2 とすると、この展開関係は R(W1/W2) > R(W1)/R(W2) のように表記できる (スラシュは並立関係を示す) 。(1)(2) では、W1は「もてなした人の心」、W2は「料理」であり、Rは「冷めて」である。Lausberg (1963: tr192-199) は、この共通する語句 R を「括弧の外に出し」ただ1つで済ませてしまうという点に、くびき語法一般の特徴づけを見いだしている。 R を「くびき表現」と呼ぶ (小松原 2019) 
  
 == Prototype, Schema, and Extension ​ == == Prototype, Schema, and Extension ​ ==
  
-くびきの多義性は、概念メタファーや概念メトニミーで関連づけられていることが多い。例えば「見事な入れ墨をもつ籠を選んで乗る」は、籠と、籠をかつぐ人との概念メトニミーを反映する。+くびき表現の多義性は、概念メタファーや概念メトニミーで関連づけられていることが多い。例えば「見事な入れ墨をもつ籠を選んで乗る」は、籠と、籠をかつぐ人との概念メトニミーを反映する。
  
 == Functions == == Functions ==
  
 +くびき表現の多義性から、[[effect:​double-meaning]]の効果が生じる。
  
 == History and Related Terms == == History and Related Terms ==
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   * [[http://​balloon-rhetoric.atwebpages.com/​cgiplexe/​zeugma.html|『ふき出しのレトリック』で調べる]]   * [[http://​balloon-rhetoric.atwebpages.com/​cgiplexe/​zeugma.html|『ふき出しのレトリック』で調べる]]
  
-連結語(くびき)は、異なる文脈をつなぐ役割を担うため、異なる2つの意味を同時に表す。この点で、一種の[[category:​pun-ambiguous]]であると言える。例えば「匂いと音を立てる」では、「立てる」が多義的になる。+連結語(くびき表現)は、異なる文脈をつなぐ役割を担うため、異なる2つの意味を同時に表す。この点で、一種の[[category:​pun-ambiguous]]であると言える。例えば「匂いと音を立てる」では、「立てる」が多義的になる。
  
-[[category:​wordplay-w]]の一種とも言える。+ユーモアとして用いられる事例は、[[category:​wordplay-w]]の一種であるとも言える。
  
 == Examples == == Examples ==
最終更新: 2024/01/20 17:31 (外部編集)