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「桜の根は貪婪(どんらん)な蛸のように」

Page Type Example
Example ID a2443
Author 梶井基次郎
Piece 「桜の樹の下には」
Reference 『梶井基次郎』
Pages in Reference 45

Text

桜の根は貪婪(どんらん)なのように、それを抱きかかえ、いそぎんちゃくの食糸のような毛根を聚めて、その液体を吸っている。

Context Focus Standard Context

Rhetoric

Semantics

Source Relation Target Pattern
1 たこ = 梅桜桃李=軟体動物
2 = 根=足

Grammar

Construction AはB-CのようにD
Mapping Type 概念メタファー

 

Lexical Slots Conceptual Domain
A Target
B Source
C Source
D Elaboration

 

Preceding Morpheme Following Usage
1 A D は-既出のものに関する判断の主題
2 B - C 統語関係
3 C の[ように] D の-「ようだ」「ごとし」で受ける場合
4 C [の]ように D 様-類似-連用形

Pragmatics

Category Effect
風景描写 (scene-description) 語り手の空想内における、桜の根の活動を描いている。
イメジャリー・イメージ (imagery) 根っこが幾重にも分かれていることと蛸の足の多さを共通項とすることで、木を蛸として表象する。
活喩 (prosopopeia) 木を生命体的に表すことで、死体から流れ出る体液を吸収するという意志的な動作の主体として表す。