目次

「それは空気のなかでのように見えた」

Page Type Example
Example ID a2211
Author 梶井基次郎
Piece 「冬の日」
Reference 『梶井基次郎』
Pages in Reference 302

Text

透明な水のなかで鼠は左右に金網を伝い、それは空気のなかでのように見えた。

Context Focus Standard Context
空気のなかで 水のなかで のように見えた

Rhetoric

Semantics

Source Relation Target Pattern
1 空気 = 水=空気

Grammar

 

Lexical Slots Conceptual Domain
A Target
B Source

 

Preceding Morpheme Following Usage
1 A 見えた は-既出のものに関する判断の主題
2 B の[ように見えた] の-「ようだ」「ごとし」で受ける場合
3 B [の]ように[見えた] 様-類似-連用形
4 B [のように]見え[た] 判ずる・判じる(はんずる・はんじる)
5 B [のように見え]た た-過去-終止形

Pragmatics

Category Effect
描写 (description) 水の透明性と空気の透明性を共通素性として、水の中で鼠がもがく様子を何もない空気の中でやっているように錯覚することを表す。
明晰 (clarity) 陸上での(=「空気のなか」での)ネズミの通常の動きを想起させることで、水中で金網を伝う動きをわかりやすく描く。