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「その面上にははや不快の雲は名残無く吹き掃われて」

Page Type Example
Example ID a0741
Author 幸田露伴
Piece 「太郎坊」
Reference 『幸田露伴』
Pages in Reference 18

Text

主人もそれを見て無言になってしばしは何か考えたが、やがて快活な調子になって、『ハハハハハハ。』と笑い出した。その面上にははや不快のは名残無く吹き掃われて、その眼は晴やかに澄んで見えた。この僅少の間に主人はその心の傾きを一転したと見えた。

Context Focus Standard Context
不快

Rhetoric

Semantics

Source Relation Target Pattern
1 = 不快 不快=雲

Grammar

Construction AのBはC
Mapping Type 概念メタファー

 

Lexical Slots Conceptual Domain
A Target
B Source
C Elaboration

 

Preceding Morpheme Following Usage
1 A B の-同格(同じ内容)
2 A C は-既出のものに関する判断の主題

Pragmatics

Category Effect
心理描写 (psychological-description) 空を覆う雲によって、主人の心を覆っていた不快の感情を表現する。
アナロジー・類推 (analogy) 不快を雲に喩えることから、「吹き掃う」ことがその状態を解消することを意味する。