目次

「金魚の仔でもつまむようにしてそれを土管の口へ持って行くのである」

Page Type Example
Example ID a2181
Author 梶井基次郎
Piece 「冬の日」
Reference 『梶井基次郎』
Pages in Reference 298

Text

その[=井戸端の漆喰の]上へ落ちた痰は水をかけても離れない。堯(たかし)は金魚の仔でもつまむようにしてそれを土管の口へ持って行くのである。彼は血の痰を見てももうなんの刺戟でもなくなっていた。

Context Focus Standard Context
金魚の仔でもつまむ (血の痰を持ち上げる)

Rhetoric

Semantics

Source Relation Target Pattern
1 金魚 = 血痰 痰=こい

Grammar

Construction AはBようにしてC
Mapping Type 概念メタファー

 

Lexical Slots Conceptual Domain
A Elaboration
B Source
C Target

 

Preceding Morpheme Following Usage
1 A して は-既出のものに関する判断の主題
2 B ように[して] C 様-類似-連用形
3 B [ように]し[て] C する(する)
4 B [ようにし]て C て-方法・手段

Pragmatics

Category Effect
イメジャリー・イメージ (imagery) 赤と白からなる金魚の姿を想起させ、赤と白が混じった血痰の色味を具体的に想起させる。
明晰 (clarity) 「仔」という指定によって血痰の大きさを分かりやすく示す。
アナロジー・類推 (analogy) 金魚の子供をつまむことができるように、血痰がつまめるものであるほどの粘性を持っていることを示す。
人物描写 (description of a character) 金魚の子供をつまむ動作を引き合いに出すことで、血痰を土管の口に移動させる姿を描く。