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「私の思い出を曇らせる雲翳(うんえい)だった」

Page Type Example
Example ID a2173
Author 梶井基次郎
Piece 「橡の花」
Reference 『梶井基次郎』
Pages in Reference 250-251

Text

私は窃盗に近いこと詐欺に等しいことをまだ年少だった自分がその末犯したことを、あなたにうちあけて、あとで困るようなことはないと思います。それ等は実に今日まで私の思い出を曇らせる雲翳(うんえい)だったのです

Context Focus Standard Context
私の思い出を曇らせる 雲翳 (窃盗と詐欺を犯したこと) だった

Rhetoric

Semantics

Source Relation Target Pattern
1 = 犯罪 犯行=雲

Grammar

 

Lexical Slots Conceptual Domain
A Target
B Source

 

Preceding Morpheme Following Usage
1 A B は-既出のものに関する判断の主題
2 B だっ[たのです] だ-断定・指定-連用形
3 B [だっ]た[のです] た-過去-終止形
4 B [だった]の[です] の-「〜のだ」
5 B [だったの]です です-断定(丁寧)-終止形

Pragmatics

Category Effect
アナロジー・類推 (analogy) 雲が地上を暗くすることとの類比関係にもとづいて、自身が犯した犯罪が自分の心を暗い状態に置いていたことを示す。
心理描写 (psychological-description) 地上に影を落とす雲のイメージを用いて、過去の犯罪が自身の心に与えた負の影響を描く。
評価 (evaluation) 過去の犯罪を地上に影を落とす雲になぞらえることで、その罪に対する否定的な心情を示す。