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「末っ子は家鴨のように三度ゆるく空気を掻くようにうごかして」

Page Type Example
Example ID a2084
Author 太宰治
Piece 「ロマネスク」
Reference 『太宰治』
Pages in Reference 49

Text

突きおとされた豆腐屋の末っ子は落下しながら細長い両脚で家鴨のように三度ゆるく空気を掻くようにうごかして、ぼしゃっと水面へ落ちた。

Context Focus Standard Context
家鴨 豆腐屋の末っ子

Rhetoric

Semantics

Source Relation Target Pattern
1 家鴨 = 末っ子 総領=雁

Grammar

Construction AはBのようにC
Mapping Type 概念メタファー

 

Lexical Slots Conceptual Domain
A Target
B Source
C Elaboration

 

Preceding Morpheme Following Usage
1 A C は-既出のものに関する判断の主題
2 B の[ように] C の-「ようだ」「ごとし」で受ける場合
3 B [の]ように C 様-類似-連用形

Pragmatics

Category Effect
イメジャリー・イメージ (imagery) アヒルが水面をゆったりと泳ぐ姿に比することで、突き落とされた「豆腐屋の末っ子」が宙を掻いた動作を具体的に想起させる。
対照法・対照 (antithesis) 突き落とされるという突発的な事態と、落ちる動作がゆったりとした展開との間に、コントラストを生む。
ユーモア (humour) 事態の突発性とその後の展開の緩慢さとのコントラストがおかしみを産む。