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「黒煙が海坊主のようにのっそりあらわれ」

Page Type Example
Example ID a2076
Author 太宰治
Piece 「ロマネスク」
Reference 『太宰治』
Pages in Reference 44

Text

ときたま黒煙が海坊主のようにのっそりあらわれ屋根全体をおおいかくした。降りしきる牡丹雪は焔にいろどられ、いっそう重たげにもったいなげに見えた。

Context Focus Standard Context
海坊主 黒煙 のっそりあらわれ

Rhetoric

Semantics

Source Relation Target Pattern
1 海坊主 = 黒煙 煙=怪物

Grammar

Construction AがBのようにC-D
Mapping Type 概念メタファー

 

Lexical Slots Conceptual Domain
A Target
B Source
C Elaboration
D Target

 

Preceding Morpheme Following Usage
1 A D が-主語
2 B の[ように] D の-「ようだ」「ごとし」で受ける場合
3 B [の]ように D 様-類似-連用形
4 C - D 統語関係

Pragmatics

Category Effect
イメジャリー・イメージ (imagery) 煙が辺りを覆う様に、海から現れた海坊主ののっぺりとした質感を感じさせる。
心理描写 (psychological-description) 海坊主という不安や恐怖を掻き立てる存在によって表すことで、周りの情景に対する話者の不安などの感覚を投影する。