目次

「高い塔や円屋根をながめた時、天に向かって伸びた無数の触手のように見えた」

Page Type Example
Example ID a1955
Author 芥川龍之介
Piece 「河童」
Reference 『芥川龍之介』
Pages in Reference 372

Text

僕はこの大寺院の前に立ち、高い塔や円屋根をながめた時、なにか無気味にさえ感じました。実際それらは天に向かって伸びた無数の触手のように見えたものです。

Context Focus Standard Context
無数の触手 高い塔や円屋根

Rhetoric

Semantics

Source Relation Target Pattern
1 触手 = 塔=触手

Grammar

 

Lexical Slots Conceptual Domain
A Target
B Source

 

Preceding Morpheme Following Usage
1 A 見えた は-既出のものに関する判断の主題
2 B の[ように見えた] の-「ようだ」「ごとし」で受ける場合
3 B [の]ように[見えた] 様-類似-連用形
4 B [のように]見え[た] 判ずる・判じる(はんずる・はんじる)
5 B [のように見え]た た-過去-終止形

Pragmatics

Category Effect
風景描写 (scene-description) 「僕」に寺院がどのように見えたかを描写する。
イメジャリー・イメージ (imagery) 無数の触手という生理的な嫌悪感を喚起する事物を想起させて、不気味さを表現する。
評価 (evaluation) 寺院に対する「不気味」という評価をより具体的かつ感覚的に表現する。