目次

「罹災者達が無心の流れのごとくに死体をすりぬけて行き交い」

Page Type Example
Example ID a1561
Author 坂口安吾
Piece 「堕落論」
Reference 『坂口安吾』
Pages in Reference 223

Text

行く者、帰る者、罹災者達の蜿蜿(えんえん)たる流れがまことにただ無心の流れのごとくに死体をすりぬけて行き交い、路上の鮮血にも気づく者すら居らず、たまさか気づく者があっても、捨てられた紙屑を見るほどの関心しか示さない。

Context Focus Standard Context
流れ (罹災者達)

Rhetoric

Semantics

Source Relation Target Pattern
1 流れ = 罹災者 犠牲者=流動

Grammar

 

Lexical Slots Conceptual Domain
A Target
B Elaboration
C Source
D Elaboration

 

Preceding Morpheme Following Usage
1 A D が-主語
2 B C の-性質・性格・状態
3 C の[ごとくに] D の-「ようだ」「ごとし」で受ける場合
4 C [の]ごとく[に] D ごとし-類似-連用形
5 C [のごとく]に D に-比較の基準

Pragmatics

Category Effect
擬物法・結晶法 (hypostatization) 移動が個人の意志ではないことを、無生物のイメージを用いて暗示する。
図地構成 (figure-ground organization) 集団を構成する人の個別性が失われており、一つの全体として捉えられている。