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「月の前の星のように果敢なく萎れてしまう」

Page Type Example
Example ID a1033
Author 谷崎潤一郎
Piece 「秘密」
Reference 『谷崎潤一郎』
Pages in Reference 40

Text

女らしいと云う点からも、美しい器量からも、私は到底彼女の競争者ではなく、月の前の星のように果敢なく萎れてしまうのであった。

Context Focus Standard Context
月の前の星 (彼女の前の私)

Rhetoric

Semantics

Source Relation Target Pattern
1 = 彼女 彼=月
2 = 我=星

Grammar

 

Lexical Slots Conceptual Domain
A Target
B Source
C Elaboration
D Target

 

Preceding Morpheme Following Usage
1 A D は-既出のものに関する判断の主題
2 B の[ように] C の-「ようだ」「ごとし」で受ける場合
3 B [の]ように C 様-類似-連用形
4 C - D 統語関係
5 D て[しまう] て-補助用言に連なる用法
6 D [て]しまう 終止する(しゅうしする)

Pragmatics

Category Effect
対照法・対照 (antithesis) 女の美しさの前には女装した自分の姿が卑小なものとして映ることを、女を月に比して自分を星に比することで、月の明るさの前には星の明るさが目立たなくなることをイメージさせることで表現する。