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「眼つきも口つきも女のように動き」

Page Type Example
Example ID a0877
Author 谷崎潤一郎
Piece 「秘密」
Reference 『谷崎潤一郎』
Pages in Reference 35

Text

こッてり塗り附けたお白粉の下に、『男』と云う秘密が悉く隠されて、眼つきも口つきものように動き、女のように笑おうとする。

Context Focus Standard Context
動き

Rhetoric

Semantics

Source Relation Target Pattern
1 = 男=女

Grammar

Construction AもBもCのようにD
Mapping Type 概念メタファー

 

Lexical Slots Conceptual Domain
A Target
B Target
C Source
D Elaboration

 

Preceding Morpheme Following Usage
1 A D も-同類(主語)
2 B D も-同類(主語)
3 C の[ように] D の-「ようだ」「ごとし」で受ける場合
4 C [の]ように D 様-類似-連用形

Pragmatics

Category Effect
評価 (evaluation) 女装した自身の姿に、男性的な要素が隠され、女性そのものに変化できたという自己評価を反映する。
イメジャリー・イメージ (imagery) 「女」の典型的な表情の作り方を引き合いに出すことで、女装した当該人物の表情がどのように動いていたのかを具体的に想起させる。
対照法・対照 (antithesis) 男としての素顔とお白粉を塗った女としての顔の間の隔たりに際立ちが与えられている。
人物描写 (description of a character) 「女」の典型的表情を参照させることで、厚くお白粉を塗った当該人物の表情を描いている。