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「果実は、琅玕の珠のように美しい」

Page Type Example
Example ID a0838
Author 谷崎潤一郎
Piece 「吉野葛」
Reference 『谷崎潤一郎』
Pages in Reference 242

Text

円錐形の、尻の尖った大きな柹(かき)であるが、真っ赤に熟し切って半透明になった果実は、あたかもゴムの袋のごとく膨らんでぶくぶくしながら、日に透かすと琅玕の珠のように美しい。

Context Focus Standard Context
琅玕の珠 美しい

Rhetoric

Semantics

Source Relation Target Pattern
1 = つつじ つつじ=珠玉

Grammar

Construction AはBのようにC
Mapping Type 概念メタファー

 

Lexical Slots Conceptual Domain
A Target
B Source
C Elaboration

 

Preceding Morpheme Following Usage
1 A C は-既出のものに関する判断の主題
2 B の[ように] C の-「ようだ」「ごとし」で受ける場合
3 B [の]ように C 様-類似-連用形

Pragmatics

Category Effect
明晰 (clarity) 宝玉の透明さや輝かしさを引き合いに出すことで、真赤に熟して半透明である柿の美しさが分かりやすく表現されている。
イメジャリー・イメージ (imagery) 日に透かし見た柿に、宝玉が典型的に備える透明さや輝きが特徴的に感じられる。
描写 (description) 宝玉の性質を想起させることで、当該の柿の特異な美しさを描いている。