目次

「山中に入って来た他国者をいじめでもするように襲った」

Page Type Example
Example ID a0756
Author 幸田露伴
Piece 「観画談」
Reference 『幸田露伴』
Pages in Reference 107

Text

渓の上手の方を見あげると、薄白い雲がずんずんと押して来て、瞬く間に峯巒(ほうらん)を蝕み、巌を蝕み、松を蝕み、忽ちもう対岸の高い巌壁をも絵心に蝕んで、好い景色を見せてくれるのは好かったが、その雲が今開いてさしかざした蝙蝠傘(こうもり)の上にまで蔽いかぶさったかと思うほど低く這下って来ると、堪らない、ザアッという本降りになって、林木(りんぼく)も声を合せて、何の事はないこの山中に入って来た他国者をいじめでもするように襲った。

Context Focus Standard Context
いじめでもする 襲った 林木も声を合わせて

Rhetoric

Semantics

Source Relation Target Pattern
1 いじめる = 襲う 襲う=虐待する

Grammar

Construction AをBようにC
Mapping Type 概念メタファー

 

Lexical Slots Conceptual Domain
A Elaboration
B Source
C Target

 

Preceding Morpheme Following Usage
1 A C を-目的・目標(他動詞)
2 B ように C 様-類似-連用形

Pragmatics

Category Effect
擬人法 (personification) 雨が激しく降り、周りの木々を打つ音とその反響音を、人の声として捉える。
心理描写 (psychological-description) 擬人化された雨が旅人をいじめていると仮定的に評することで、いじめのやりきれなさなどを想起させて、当該人物が堪らない気持ちを抱いていることを示唆する。