目次

「ろおれんぞは燕か何ぞのやうに、部屋を立つて行つてしまうた」

Page Type Example
Example ID a0728
Author 芥川龍之介
Piece 「奉教人の死」
Reference 『芥川龍之介』
Pages in Reference 194

Text

なれど世間のそしりもある事でござれば、『しめおん』は猶も押して問ひ詰つたに、『ろおれんぞ』はわびしげな眼で、ぢつと相手を見つめたと思へば、『私はお主にさへ、嘘をつきさうな人間に見えるさうな』と、咎めるやうに云ひ放つて、とんとか何ぞのやうに、その儘つと部屋を立つて行つてしまうた。

Context Focus Standard Context
ろおれんぞ

Rhetoric

Semantics

Source Relation Target Pattern
1 = 彼=ひばり

Grammar

 

Lexical Slots Conceptual Domain
A Target
B Source
C Elaboration

 

Preceding Morpheme Following Usage
1 A は[とんと] C は-既出のものに関する判断の主題
2 A [は]とんと C 少しも(すこしも)
3 B か[何ぞのように] C か-推定
4 B [か]何[ぞのように] C 何(なに・なん)
5 B [か何]ぞ[のように] C undefined
6 B [か何ぞ]の[ように] C の-「ようだ」「ごとし」で受ける場合
7 B [か何ぞの]ように C 様-類似-連用形

Pragmatics

Category Effect
イメジャリー・イメージ (imagery) 燕が空を素早く飛んでいく様子をイメージさせる。
心理描写 (psychological-description) 「ろおれんぞ」が部屋を出ていく速さや迷いなさを表現する。