目次

「お嬢さんは通り過ぎた。花をつけた猫柳のように………」

Page Type Example
Example ID a0664
Author 芥川龍之介
Piece 「お時儀」
Reference 『芥川龍之介』
Pages in Reference 33

Text

同時にまたほとんど体中にお時儀をしたい衝動を感じた。けれどもそれは懸け値なしに、一瞬の間の出来事だった。お嬢さんははっとした彼を後ろにしずしずともう通り過ぎた。日の光りを透かした雲のように、あるいは花をつけた猫柳のように。………

Context Focus Standard Context
花をつけた猫柳 お嬢さん 通り過ぎた

Rhetoric

Semantics

Source Relation Target Pattern
1 猫柳 = お嬢さん 少年=こしょう

Grammar

Construction AはBのようにC
Mapping Type 概念メタファー

 

Lexical Slots Conceptual Domain
A Target
B Source
C Elaboration

 

Preceding Morpheme Following Usage
1 A C は-既出のものに関する判断の主題
2 B の[ように] C の-「ようだ」「ごとし」で受ける場合
3 B [の]ように C 様-類似-連用形

Pragmatics

Category Effect
明晰 (clarity) 猫柳の花が、周りが淡く白っぽく、中心がピンクなどの色となる様子を引き合いに出すことで、日の光に照らされるお嬢さんの淡い存在感を具体化する。
誇張法 (hyperbole) 猫柳の花が、周りが淡く白っぽく、中心がピンクなどの色となる様子を引き合いに出すことで、日の光に照らされるお嬢さんの淡い存在感に際立ちを与える。
人物描写 (description of a character) 日の光に照らされるお嬢さんの淡い存在感を、猫柳の花の色を引き合いに出して描いている。
寓意・アレゴリー (allegory) 「日の光を透かした雲」「花をつけた猫柳」の重ね合わせによって、お嬢さんの希薄な存在感を他面的に描いている。