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「感情(おもい)の遺した余影(かげ)が太郎坊の湛える酒の上に時々浮ぶ」

Page Type Example
Example ID a0371
Author 幸田露伴
Piece 「太郎坊」
Reference 『幸田露伴』
Pages in Reference 23

Text

無かった縁に迷いは惹かぬつもりで、今日に満足して平穏に日を送っている。ただ往時(むかし)の感情(おもい)の遺した余影(かげ)が太郎坊の湛える酒の上に時々浮ぶというばかりだ。

Context Focus Standard Context
往時の感情の遺した余影が 浮ぶ (思い出される)

Rhetoric

Semantics

Source Relation Target Pattern
1 = 感情 情=形相
2 浮かぶ = 思い出す 思い出す=浮く

Grammar

Construction
Mapping Type

 

Lexical Slots Conceptual Domain

 

Preceding Morpheme Following Usage

Pragmatics

Category Effect
縁語・縁装法 (-) 盃に注がれる酒の眺めをきっかけに表現されることで、酒に関連した語彙によって描写を展開できる。
兼用法・異義兼用 (syllepsis) 心に浮かぶことと酒の上に浮かぶことを兼ねている。
心理描写 (psychological-description) 過去の出来事がその時の感情を伴って不意に思い出される様子が表現されている。