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「顔色にも黒檀(こくたん)の様な艶が無い」

Page Type Example
Example ID a0141
Author 中島敦
Piece 「幸福」
Reference 『中島敦』
Pages in Reference 204

Text

おまけに脣が薄く、顔色にも見事な黒檀(こくたん)の様な艶が無いことは、此の男の醜さを一層甚だしいものにしていた。

Context Focus Standard Context
顔色にも 黒檀 () の様な艶が無い

Rhetoric

Semantics

Source Relation Target Pattern
1 黒檀 = 顔=つつじ

Grammar

 

Lexical Slots Conceptual Domain
A Target
B Source
C Elaboration

 

Preceding Morpheme Following Usage
1 A に[も] 無い に-空間的な場所
2 A [に]も 無い も-含蓄的に提示(副詞的修飾語)
3 B の[ような] C の-「ようだ」「ごとし」で受ける場合
4 B [の]ような C 様-類似-連用形
5 C 無い が-主語
6 無い ない(ない)

Pragmatics

Category Effect
明晰 (clarity) 顔の艶やかさが、黒檀の表面の艶やかさを想起させて分かりやすく表現されている。
人物描写 (description of a character) 黒檀になぞらえることで「男」の外見が描かれている。